大潮

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日帰り立ち寄り湯 清河寺温泉 さいたま市大宮区

レジャー/旅行

ぬるめの生源泉が掛け流しの露天風呂

一番好きな温泉タイプです

半透明の塩湯で、
微細な気泡が全身を覆う炭酸泉
水の光に包まれたように透き通った膜になっている
手のひらを重ねると、ジュワッと気泡が消えていく
くすぐったいような感触が皮膚の下に浸みこんでいくのが気持ちいい
5分もすると、手首から先が気持ちよくじんじんとしてきました
じんじんを5分ほど楽しんだ後
加温源泉の壺湯へ移動

屋敷林風情の竹林を眺めながら
加温源泉の温かさが浸みこんで来るのを
ゆるゆる楽しんでいるところへ
湯温を計りにきたスタッフさん
「熱いですか?」
「42℃ほどは熱くないけど、41℃を過ぎているね。壺湯にはちょうどいい熱さだよ」
「お客さん~ さすが~ 41.4度!」
褒め上手だねえ

加温源泉の露天風呂は
あつ湯と二段構えになっている広い岩庭造りがあり
日曜日の混雑とはいえ
まずまずの入り心地でこれも満足

人気なのが室内の人工高濃度炭酸温泉で、
源泉を加温して高濃度炭酸ガスを注入しているという
入ってみたが
大きな泡が帯状につく
天然の微細な気泡とは肌触りが大違いだ
見た目が派手なほうがもてるみたいだね
30人くらいぎっしり入浴する人の間を行き来する少女たちが
にぎやかに楽しげにはしゃいでいる
みんな気持ちいいんだろうな
お母さんが髪を洗う横で
3歳にもならないんじゃないかという小さなおじょうさんが
ひとりで一生懸命に自分のからだを洗っていた
銭湯気分満喫だ~

「今日の白湯」は九州の黒川温泉入浴剤が薄く白い湯になっていて
この湯漕だけ懐かしい銭湯の消毒薬の匂いがした
これもなかなかいいよね
掛け湯は水道水だというので
上がり湯はなしで生源泉からそのまま上がった

セルフの食堂は、学生食堂のように広くてこざっぱりしていた
畳のテーブルと、椅子席のテーブルがあり、気楽だ
お酒のおつまみが190円・290円・390円とバラエティーに富んでいたので
生シラスと牛筋のデミソース煮込みを肴に
今日は二度目のビールを飲んでほろ酔い気分になった♪

今日は塩湯+炭酸泉を選んだ
炭酸泉の飲用が胃腸の働きをよくする効果ありと聞いて
市販の炭酸水を一日4度、食前と寝る前に150ccずつ飲んで3日目になるからだ
飲用しているときに天然の炭酸泉に入ってみたいと思った
清河寺温泉は飲用所はなかったが天然の炭酸泉は気持ち良い

自分は便秘でも下痢でもないが、
便秘と下痢をくりかえす症状に効果があるという炭酸泉を飲み
胃腸の様子を確かめてみることにした
炭酸水を飲み始めて4日目の夜
左耳の後ろ生え際に赤く痒い発疹が4粒ほどできた
必要のないものがからだから出ていくときの兆候だ
左耳が若干軽くなった
今まで気が付かないほど長く自分にとりついていた重みが消えた
少し、左耳の聴こえがよくなったようだ


炭酸泉といえば、山梨の増冨鉱泉だ
40代のころ、炭酸泉で胃腸の具合がよくなったとは認識していなかったのだが
体の不調を治したい一心で飲用していた
増冨温泉の不老閣の部屋に到着すると
ウエルカムドリンクのとっくりにはいったラジウム鉱泉源泉水をまず、150cc飲んだ
飲用案内がついていて飲みすぎないようにとあったが
源泉に入るとコップがあって
治りたい一心でおいしいと思うだけ飲んだ
一泊した帰りには
2リットルのポリタンクに源泉を詰め込んで自宅に持ち帰り
飲んでいた
2年は飲んだかな?

不老閣の山の岩風呂は
自然の大岩の下に鉱泉が溜まった岩壺があり
ぎっしり入ると10人は入れる
岩壺は降りにくいことこのうえないが
そこが自然そのままのいいところなんだ
当時は混浴だったから
岩壺に降りるときの不恰好さは勇気がいった
だけど、みんな病気から治りたい一心で性別に関係なく
いたわりあって入った
マナーではなく
ルールでもなく
鉱泉に入る時間を分け合う気持ちでいっぱいだった

岩壺の青光りするラジウム鉱泉や噴き出てくる炭酸は幻想的だ
岩壺に入るとからだに向かって
炭酸が噴き出てくる
シューと細かな気泡が流れ込んでくると皮膚がそこだけほのかに温かくなる
初めての人に炭酸の噴き出てくる壁を譲りあって入った
ほのかに温かい壁に背中をつけていると冷鉱泉の冷たさになじむことができた
炭酸がたくさん噴き出てくる人がいることも発見した
まるでお祭り騒ぎのように気泡が幾筋も現れ
鉱泉は炭酸の気泡でいっぱいになる
入る回数が多くなるにつれ
気泡がからだにつく率が減って行く
それと反比例して元気になっていった

今振り返ると
病院でみてもらっても病名のつかない症状が劇的に治っていった
初めてラジウム泉に入った夜
立ち上がれなくなり、這ってトイレに行った翌日の朝
緑色の便が出たあと、すっきりと歩けたのに驚いた
痔が治っていた
それから通いだした増冨温泉だ
ひと夏通うと
真っ黒な墨色の水様便が
通常の便に戻った
10月に入ると、増冨温泉は底冷えがして
散歩もできなほど凍えそうになる寒さがやってきた
山の岩風呂は冬の間、閉鎖すると聞き
最初の年は暖かくなるまで入らなかった

その冬、からだのだるさが少しぶりかえし
うさぎのふんのようなコロコロとした便に悩まされた
病院でも療法所でも手こずり苦しんだ
5月に増冨温泉行きを再開して
からだの不調が遠のいた
そして2年目の冬、止める宿の人と話し合い
ひとり、山の岩風呂に入ることにした
冬には山の上の温かな上がり湯はないこと
掃除もしないので自分でしなければ入れる状態ではないこと
昔、病気を治したい人が心臓発作で事故死した
酷冷の湯漕には絶対に入らないこと
さまざまな約束事を守り
岩壺の鉱泉に入った
人を寄せ付けない冷たさに入ってすぐに出ることもあったし
鉱泉からでる有機物の濃度の高さで酸欠になっている岩壺に
うっかり入ってしまい危ういこともあった
運よく二人で入ったので早くに気が付き
声を掛け合い、腕を回して空気を取り込み
助け合って岩の上に上がることができた
もう、いつ逝ってもいいなんて話していたけど
まだ、わたしたち生きたいんだね~と笑いあった

土曜に行って日曜に帰る週末の鉱泉通いをした
雪が降り積もる朝、雪掻き車がくる
バスがその後を追いかけてくる
駅までの白い山道を下ったバス路線もなくなり
今は明野回りになっている

三年通ったかな
うさぎの便もあれ以来経験していない
便秘と下痢を繰り返していたのが
きちんと健康な便通がある
増冨鉱泉はラジウム泉を意識していたが
胃腸には炭酸泉だからこそ良かったのではないか
今頃になってそう認識した