片岡球子展
今日、久しぶりに東京国立近代美術館に行った
片岡球子展は極みの緻密さと構図と色のド迫力の見事さに圧倒された
観たかった「枇杷」は繊細で優美だった
萌えいでたばかりの柔らかな草緑の一年葉から
脂を敷いたかのように照り輝くゴワゴワの質感をもった濃緑の八年葉まで
ゆうに300枚以上はあるだろう
同じ色・形が一枚としてないことに驚嘆した
この緻密さは極みの美しさだった
山(富士山)と死火山(妙義山)と火山(浅間山)
このみっつの山の絵がならんでいた
有名なのは富士の絵で、原画を初めて見た
デフォルメされた構図を極彩の青と白で染めた緻密な岩肌から目が離せなかった
そして、特に、胸に迫ってきたのは噴火する信州の浅間山の描写だった
噴火で薄暗くなった空を焦がす溶岩の赤の下には
豊かに実る金の小麦畑と、なごやかな村の屋敷屋根
火山列島のたくましく、のどかな生活が見事に融合し
繊細でち密な日本画の線と油彩と見まごう独特の色の熱さに
観る人から口々に、爆発だね!と歎声があがった
海の絵は
「小田原の海」
「真鶴の海」
が展示されていた
これらの海と岩の風景は
わたしにとって見慣れた風景で
岩の質感が蘇ってくる
片岡球子の苦節時代の絵だが
重い空気に押しつぶされながらも
苦渋をはねのける光を見出そうともがいている筆遣いが
岩の質感に込められている
わたしが絵を飾るなら
自分は苦渋の時代を乗り越えてきた
力ある存在であることを忘れないために
この「真鶴の海」を飾ってみたい
着物にたすき掛けをした女性の働く姿のたくましい美しさ
肌着の袖レースの腰はあるが柔らかさや透け感
織模様、糸模様まで描き出された帯のざらっとした質感
本当の糸を塗り込んであるのかと見まごう
女性の周りにはポピーの大輪がいくつも描かれている
ポピーの花の一日で終わってしまう潔さが
潔癖なまでの色鮮やかさに表現されていて
花びらから透けてくる金銀紫の日の光を揺らめかすかのように
色が踊っている
他の絵にある花…梅や桜もそれぞれよかったが
特に魅かれたのは、一本だけ描かれた曼珠沙華の花の
緑と朱の澄み切った色だった
球子の花の色の見事さで胸はいっぱいになっていて
なのにお腹が空いていた
平川門のあたりにみえる桜の花色を愛でるよりも
お粥と冷やし中華を食べることに決めて神保町にむかった
絵を描くのが好きだった小学生時代のわたしは横浜に住んでいて
市内の大岡小学校の女の先生がすごい絵を描いているのだと
聞いたことがある
どんな絵なのか見たいと大人にせがんだ夢が
今日、実現した
気ままに過ごせる休みっていいね
ルルルのル^^
2015/04/21 21:00:36
おお〜〜ヽ(^。^)ノ
観てこられたのですね、、素晴らしい
トシraud
2015/04/17 23:57:01
くわしく知らなくて、富士山や浮世絵ふうの絵はイメイジできたんですが、ご活躍が主に70年代なんですね!とても色が希望?溢れてて、仰るように見てみると細密なんですね!^^