降魔】釈尊が退けた悪魔の軍団【成道
「 汝の第1の軍隊は欲望であり、第2の軍隊は嫌悪であり、第3の軍 隊は飢渇であり、第4の軍隊は妄執といわれる。汝の第5の軍隊はものうさ、睡眠であり、第6の軍隊は恐怖といわれる。汝の第7の軍隊はみせかけと強情と、 誤って得られた利得と名声と尊敬と名誉と、また自己をほめたたえて他人を軽蔑することである。ナムチよ、これらは汝の軍勢である。黒き魔の攻撃軍である。 勇者でなければ、かれにうち勝つことができない。……命はどうでもよい。わたくしは敗れて生きながらえるよりは、戦って死ぬほうがましだ。」(『スッタニパータ』)
http://blogs.yahoo.co.jp/irhhikarinotenshi/2640798.html
釈尊が悟りを開かれる前に悪魔の攻撃を受け、その時に、「お前の手の内はこうだ!」と指摘して悪魔を退けた(【降魔成道】)その内容に触れておきたいと思います。
よく「悪魔に取り憑かれた」とか、「悪霊に憑依された」とかいうものは、この【悪魔の十の軍隊】によってそうなっているのだといえます。
【悪魔の十の軍隊】
①欲望(よくぼう)
欲望を煽って堕落させようとします。
②嫌悪(けんお)
排他性によって孤立させようとします。
③飢渇(きかつ)
飢餓感によって堕落させようとします。
④妄執(もうしゅう)
ひとつのことに執着する心を狙ってきます。
⑤ものうさ、睡眠(すいめん)
面倒がることと眠ってしまうこと。(この項目は説明を要するでしょう。)
悪霊に憑依されている人に説教しようとすると面倒がって逃げようとしたりします。捉まえて言い聞かせていてもボーっとしてしまって頭に入っていきません。終いには気を失ったように眠ってしまいます。
こういうことが除霊しているときに実際に起こります。そのことをいっているのです。
⑥恐怖(きょうふ)
恐怖心が更なる不幸を呼び込むことになり、次々と不幸が襲ってくることになります。
恐怖心に囚われると何かに縋りたくなって占いや宗教に頼りたくなります。そういう時に邪教教団に鴨にされて金銭を巻き上げられたりするのです。
⑦疑惑(ぎわく)
人を騙そうとしている人を見抜くことは必要なことですが、疑心暗鬼になって何でも疑ってしまうようになると、人間関係がギクシャクしたりします。それが悪魔の狙いです。
⑧見せかけと強情
虚栄心が強い人と強情な人は悪魔が付け入りやすいということです。
⑨誤って得られた利得、名声、尊敬、名誉
分不相応な評価や利得を得ると、それを守ろうとするなかで不正や悪事を働いたりして悪魔の手中に入ってしまうのです。
⑩自己をほめたたえて他人を軽蔑する
漫心するということですが、慢心すると他の追従を許さないために他人を軽蔑したりします。
また、他の意見を聞かずに客観的な見方が出来なくなります。
これが【悪魔の十の軍隊】ですが、気をつけなければならないのは、何も原因が無いところに悪魔が突然襲ってくるのではないということです。
人がやってしまいやすい誤りに忍び寄って、自覚の無いまま何時の間にか取り憑いてしまうのです。
ですから、釈尊は悪魔に対して、「おまえはこういうところを攻めてくるだろう。」と指摘していますが、私達に対しては、「お前たちのこういうところが悪魔の餌食になっているのだよ。」と教えてくださっているわけです。