細腕繁盛記「地獄の歩き方」
先のブログで、「イメージ戦略をフルに活用したこと」
次のブログで、「店、一件潰すということ」を書きましたが、
ここでは、
「イメージ戦略で展開した店が、閉店したときどうなるか」について、
包み隠さず、正直に書いてみましょう。
わたしは、このときほど飲食業の厳しさを経験したことはありませんでした。
重労働で体が動かなくなる、
過労で肝臓にダメージが加えられる、
仕事ができるはずのコックが、実は役立たず、
仕入れを人に任せたら、業者がキックバックの誘いをかけていた、
(仕入れ値の、中抜きですね)
若いねーちゃんたち(ウェイトレス)は、注意するとすぐ泣く、
そしてなにより、
働いても働いても、人件費でどーんと利益が吹っ飛ぶ、
仕入れにお金を掛けなきゃ、良い料理が作れない・・・
もうこの果てしない下り階段に、
どんどん気持ちが凍り付いて行くのを感じざるを得なくなって・・・
飲食店のこの戦いに負けてしまえば、
厨房で、ただの野垂れ死にが待っているだけです。
そのうち、体がどんどん思うように動かせられなくなって、
朝、目が覚めたら、自分の顔が土のような色になっていたのには・・・
「これは、まずいことになった」
正直な気持ちです。
前にも書きましたが、
命を懸けてやる「仕事」はないのです。
「このままでは、もっとまずいことになる」
で、突然の「辞める」宣言をしました。
さあ、ここからです。
地獄のバッシング。
まず、おおよそ近隣のお客様や友人・知人のアタマの中には、
「長い間、外国暮らしをしていたお金持ちが、
気まぐれに店をやって、すぐに飽きて閉店した」ということだったでしょう。
「金持ちの道楽」
「遊びで商売をやった」等々。
もちろん、わたしはお金持ちなんかではありません。
これは、自宅だったからできたことで、
損失1150万(シャンデリア、内装工事、什器備品一切)は、
まあ、これは本当にラッキーだったのですが、
わたしが自分にかけていた簡易保険が満期になっっていたこと。
満期保険料(当時、実質8%で回っていたんですね~)が、
ドーンと入って、すべてをチャラにしてくれました。
保険金は吹っ飛びましたが、
このあと,店は「居抜き」で即刻、
看板も名前も付けたまま、賃貸に出しました。
オーナーチェンジです。
借金は無かった(わたしは、借金が大嫌いな)ので、
保険金を失くしただけで済みましたが、
いや、おそらく信用もなくしたでしょうね、
友人も疎遠になってしまいました。
高い授業料になりましたが、
ここから、学んだことは多くあります。
まず、自分が厨房に立ってちゃダメなんです。
それじゃあ、わたしはコックで終わってしまう。
わたしは、コックになりたかったわけではないのに、
コックから抜け出せなくなってしまっていたのです。
そして、結局それがもとで店を閉めざるを得なくなったこと。
大いに反省しなければいけない点です。
大事なのは「ブレーン」です。
人は石垣とは、よく言ったものです。
今でも、当時手伝ってくれたパティシエとは友人ですが、
彼女とときどき、むかし話を語り合います。
よくまあ、あんな無茶な店をやったもんだって。
そういえば、彼女はパティ【菓子職人)なのに、
中華料理が上手だったなあ、なんでだろう。
優秀なブレーン(仲間)は、
お金では得られない、そして絶対必要な同僚です。
人間関係は、城の石垣と一緒で、
平和な時に構築しておかないと、
いざと言うときに、間に合いません。
普段から、「この人は一生の友人になる」と、
人を信頼してお付き合いさせていただくことが大切です。
で、どこが地獄だったかって?
まだですよ。
これからです。
本当の地獄は・・・。
続くんだす、長いな。
すずき はなこ
2015/05/03 19:08:47
音子さん、こんばんは。
どん底ばっかりなんですけどねえ。
そのせいでしょうか、
ゴハンが美味しければ、
一日が幸せだったなあって本気で思えます。
音子
2015/05/03 18:57:54
若気の至りですかね・・・
でもどん底を知ったら人生の幸せが何かわかりますよね
すずき はなこ
2015/05/02 13:22:23
まぎまぎちゃん、こんにちは。
うん、
「たった今から、まっさらな未来が始まっている」
わたし、いつもそう思って、
失敗した時や、人に誤解されたときに、自分を励ましているの。
うじうじ、悩んでも仕方ないしね。
泣きたいときは、思い切り泣いて、
泣きつかれたら、ケロッとするの。
そして、「よーし、今から未来だっ!」て思うのね。
みんなも、きっとそういって頑張ってるよ!
まぎまぎちゃん
2015/05/02 12:40:48
はなちゃん!!!
はなちゃんには、いつも「言葉の魔法」をもらうよ。
いつも勇気付けられる。
たった今から、まっさらな未来が始まっている
なんて素敵な言葉でしょうか。
すずき はなこ
2015/05/01 13:24:02
まぎまぎちゃん!
間に合う、間に合う!
たった今から、まっさらな未来が始まっているんです。
これから、石垣になる人間関係を構築するんです。
わたし、毎日毎朝、そう思って一日を始めているんですよ。
だいじょうぶです。
まぎまぎちゃん
2015/05/01 13:13:05
優秀なブレーン(仲間)は、
お金では得られない、そして絶対必要な同僚です。
人間関係は、城の石垣と一緒で、
平和な時に構築しておかないと、
いざと言うときに、間に合いません。
普段から、「この人は一生の友人になる」と、
人を信頼してお付き合いさせていただくことが大切・・・。あぁ・・・。今からでも間に合うかしら。
すずき はなこ
2015/05/01 10:44:58
さっちゃんさん、ありがとうございます。
お知り合いの女性の方、がんばられましたね、すごい。
フレンチの集客は、一筋縄ではいきませんね。
ご苦労されたと思います。
コメント、ありがとうございました。
さっちゃん
2015/05/01 00:41:28
ブログ広場からお邪魔して、初めてコメントします。
この起業のお話は非常に興味深く読ませていただきました。
知り合い(女性)がやっぱり料理店(フレンチです)を開いたのですが、3年間で閉店しました。
彼女の場合は、集客に苦労して利益を上げられずに閉店でした。それでも3年間は頑張ったんですけどね。
彼女の場合は、きれいに閉店できたのですが、どんな地獄があったのか次回も楽しみに読ませていただきます☆
すずき はなこ
2015/04/30 18:17:32
大喜さん、こんにちは。
このパティシエは、今では「吹け飛び」の賃貸住宅に入居されています。
そして、友人です。
まるで、魔法のように彼女の腕で、素敵なお菓子が産み出されるのですよ、
シフォンケーキや、栗しか使っていないモンブラン、
しっとりとした大人のクグロフ。
それが、次から次へと目の前に現れるのです。
パティシエって、魔法使いですかねえ。
大喜
2015/04/30 17:48:46
ワーグナーのワルキューレ騎行が頭の中に流れて来ました
(笑)
これで、まだ、地獄の1丁目なんですね!
今のはなこさんを知っているから、安心して?読めます
>まず、自分が厨房に立ってちゃダメなんです。
>それじゃあ、わたしはコックで終わってしまう。
ここのところ、よくわかります
パティシエの友人は得難い友人のようですね!
それだけでも価値があった失敗?だったのかもしれません
「金持ちの道楽?」外野には言わせておきましょう!
すずき はなこ
2015/04/30 17:42:14
Mt.かめさん、飲食業の最大の問題は、
本当に信頼できる板場(厨房)に恵まれないということです。
腕のいいコックは、必ず独立します。
中途半端なコックは、業者と癒着してキックバックで甘い汁を吸おうとします。
結局は、身内(息子)か、自分で板場をやるしかないんですね。
それが町の飲食店が、大きくなれない仕組みだったんです。
自分でやって、骨身にしみるほど、よくわかりました。
Mt.かめ
2015/04/30 17:29:13
そーなんですよー。
自分がシステムの一部になったら
地獄だと思うんですよ。でもそれが「普通」なんですよね。
わたしは体力に自信が無いので、いわゆる「働く」のには向いてない人間。
しかも家庭むきでもないときてるので、よく結婚生活を維持していると不思議です(笑)
はやくキャッシュフローのみで生活がしたいのに、3歩進んで2歩下がり。
なかなか進めませんー。今日もワラントで撃沈して涙がちょちょ切れorz
すずき はなこ
2015/04/30 15:39:05
泪珠さん、こんにちは。
仕事で、体に影響するってかなりのハードワークですね。
そんな、命を削る仕事、ほんとはやっちゃダメなんですよお。
いや、フツーがいい、ほんと!
泪珠
2015/04/30 15:05:56
あー、ワカリマス~
私はハワイ生活後、一介の塾講師でしたが、
最初は試用期間で時間給(授業給)でかなり稼いでいたのですが、
正社員になったら、いくら働いても同じ。
働かない奴らと同じ。
しかも教室任されて教室長になったら、もう倒れそうでした。
(いや、実際倒れたんだけど)
使えない奴に限って、偉そうで出来る風するんですよね~