日記

kaz

ただ思いついた事です。

木漏れ日の道

30代以上

いつもより早起きして、バイクに乗って走り出す。
ハンドルは山の方に切っていく。
やがて街並みは緑に変わってく。

青空に白い雲
それだけで十分
赤い橋を渡ると、アスファルトの切れ目が表れる。

そこは森の入り口
熱くなったエンジンを止めて深呼吸を一つだけ
静寂の中に、息吹が聞こえる。

風が抜けていく木々のざわめき
いつまでも止まらないウグイスの泣き声
騒ぎだすのは僕の心

シングルDOHCのエンジンに火を入れる。
雑多な日常から抜け出して、どこかへ続いてく林道へ分け入ってく
道は上ったり、下ったりを繰り返し、右に左につづら折れ

辺りは木漏れ日の差す林道へ様変わり
森の空気を肺いっぱいに吸い込んで
僕の中まで森に満たされていく

やがて展望の開けた場所に着く
そこは偶然見つけた、僕だけの空間
静まり返った森の中、木漏れ日がゆらゆら揺れている。

フィルターの取れた空を仰いで見る。
遠くで、とんびが円を描いてる。
たったそれだけで、笑顔

ひとしきり、ひとり
人知れず、ひとり

木漏れ日の道を抜けていく