嘘?】天気を100%当てることが出来ます【詐欺?
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あるところに1人の青年がいました。
その青年はとても頭が良く、弁が立ち、街の中では優秀と一目置かれる存在でした。
ある日、隣町に「天気を100%当てる老人」がいることを聞きました。
青年は「そんな口からでまかせな事を言って、完全なる詐欺師だろう」と自分の論力でその嘘を暴いてやろうと隣町まで出かけました。
隣町まで出かけた青年は、いろんな方に情報を聞き、その老人の在りかを見つけ出しました。
ボロボロの衣服を身につけ、お風呂には3ヶ月以上も入っていないと思われるような風貌。
自分のところまで異臭が届くのではないかと思う老人を見て、「完璧な詐欺師」だと青年は思いました。
「あなたが天気を100%当てる方ですか?」と青年
「そうじゃ」と老人
「100%天気を当てるなんて、デマカセですね?」
「いいや、100%当てられる」
「本当なんですか?」
「うむ。本当じゃ」
「では、明日の天気はどうですか?」と青年
「最高にいい天気じゃ」と老人
「いい天気ですね?」
「そうじゃ」
「わかりました。ではまた明日来ます!逃げないでくださいよ」
「わしは、逃げも隠れもせん」
「では明日!約束ですよ!」
と青年は言い、老人のもとを去っていきました。
・・・絶対に俺が、詐欺であることを暴いてやる・・・
そう心でつぶやきながら、その日は早く就寝した。
青年は雷の激しい音で目が覚めた。
ベットから飛び起きて、窓の外を眺めるとバケツをひっくり返したような激しい雨。
「ほらみたことか!完全に詐欺師だ!」
青年は、老人がどのような言い訳をするのか?どのような逃げ方をするのか?シミュレーションをしながら老人に会うため身支度を行った。
土砂降りの中、昨日と同じ場所に老人はいた。
「よくぞだましてくれたな!」
青年は勢いよく言い放った。
「何がじゃ?!」
・・・ほほー、、、とぼける作戦か・・・
「昨日言ったじゃないですか!天気を100%当てるって!!!」
「間違っちゃおらんだろう」と老人
・・・やっぱりか・・・ボケたふりをするつもりだ・・・
「見てください!この雷も激しい大雨も!!」
「そうじゃ、大雨じゃ・・・」
「これぽっちも当たっちゃいない!!!大雨ですよ!!!」
最後に青年はかなりきつく言い放った。
老人は上を見上げ眩しい顔をしながらこういった。
「見てみろ...いい天気じゃ・・・」
青年は呆れ果てていた。
そして、ラチが明かないと思い、反論するのをやめた。
老人は青年の様子を見て少し微笑みながら、ゆっくりと語り始めた。
お前は何を見て「良い」「悪い」を判断してるんだ。
世の中にある「良い」「悪い」はつまらない価値感が作り出したものだ。
お前はそのつまらない価値感で起きている出来事を図ろうとするのか?
そんなつまらない価値感で生きていくと、お前が死ぬ時、今日の天気と同じような判断をするだろう。
いい人生だったのか?
悪い人生だったのか?
世の中に起こる出来事はお前の価値観で決めるんだ。
晴れの時も良い天気
雨の時も良い天気
そうするとおのずとお前の人生もいい人生になる。
少年よ、お前の人生だ。お前が決めろ。