小人閑居して不善を成してやろうじゃないか

Joe

このつまらない俺に暇を与えてごらんなさいw

ありふれた日々 #5

自作小説

桃子は文一郎が間近に近づくまで全く気が付かなかった。

「調子はどう?」と笑顔で聞いてきた。件のメールの事なのか?それともただのルーチン業務のことか?
「通販事業部が在庫が多いって言ってきています。でもどれの事かさっぱりわかりません。」言っているそばから悔しい気持ちが再び湧き上がって目が潤みそうになる。私はちゃんと在庫が適正化を見ている。需給を知らない人間にとやかく言われるはずはない。
それを察してか文一郎はさらっと
「まずは高田に何を対象に言いがかりを付けているのか聞いてみてあげるよ。返答があるまでは通常業務をこなしておいてね。相手がどのアイテムの事を言っているか判ったら一緒に対処を考えよう。」
桃子は自分が通常やっておかなければならない業務を完全に放置していたことに気が付いた。遠くにいる生産担当者がこちらを見ているのにも気が付いた。
今からならまだ迷惑をかけずに終われる可能性はある。
「はい。すみません・・・」文一郎は私の動きを監視していたのだろうか?
桃子は気分を切り替えてルーチンワークに集中した。

ひとまず落ち着いたか・・・。
文一郎は通信販売部の高田宛にメールを送った。
「通信販売部高田様
お疲れ様です。
通信販売部で過剰在庫の可能性が懸念されているアイテムを教えてください。」

さて、どんな回答がくるやら。