モグラ・・・その10
そう、お中元の話し・・・
ずしっと重たい長い箱が届いた
差出人はモグラ
期待を込めて包みを解く
箱を空けようとしたら
手紙が張り付いていた
「サンちゃんへ」
これって懐かしいヴィーナスの字だ
字は容姿を現す?
いやいや、とてもきれいな字だ
モグラの象形文字とは訳が違う
封筒から手紙を出し読み始める
「お元気ですか
ご無沙汰しています
私達は元気いっぱい
ペンションを切り盛りしています
さてこの度ペンションの庭に
薬草園を作ることになりました
この辺りでは採れない薬草を育てようと
モグラさんと相談の上の事です
つきましては園を作る手伝いの男手を
募集いたしております
勝手ではありますが
サンちゃん用のスコップを送らさせていただきました
是非利用になって下さい
良く掘れる選りすぐりのスコップです
お待ち申し上げております
モグラのやさしい妻より
P.S.夏子さんも療養にいらっしゃるとの事です」
「はぁ、何だって」
「また勝手な事を」
「スコップだって」
「アパート暮らしなのに、いるかこんなもの」
「駅前に落とし穴でも掘れと言うの?」
『加藤さん事件です、駅前に大きな穴が・・・』
「なんてスッキリの阿部レポータが来ちまうぜ」
「こんなもん邪魔!」
そう言ってピカピカ光るスコップを
箱に戻した
その一時間後
サンちゃんは新幹線の中にいた
なにやら長い箱を大事そうに持っていた
そして楽しそうに窓の外の流れる景色を眺めていた
これから来るであろう夏の盛りを告げる緑に
金色の陽光がまぶしく反射している
いくつかのトンネルを抜ける度に
その緑は濃くなっていった
『やぁビーナス!元気!』
『どうも夏子さん!素敵な絵を描きに来たのですか!』
サンちゃんは会ったときに交わす挨拶の練習を
新幹線の座席に座り頭の中で考えていた
久々に会う仲間たち
故郷へ帰る僕
そんな感じで胸が高まった
さぁもう少しで駅に着くぞ
「スコップ君よろしくね」
サンちゃんはスコップに話しかけていた
電車を降り
バスに乗り継ぎ森の中を今歩いている
ちょっと湿ったオゾンの香り
サンちゃんは大きく深呼吸をした
うん、そうだ
この香りだ!
懐かしさに浸っていると目の前に
白いペンションが現れた
「わっ!」
急に後ろで大声がした
びっくりしたサンちゃんは
持っていたスコップの箱を足に落とした
「痛ぁ~」
「はっ、は、は、は、はっ、は」
「いよう、サンちゃん元気か!」
「モ、モグラさん」
振り返ると大声を出して
そっくり返って笑い転げるモグラが居た
一瞬熊でも出たかと思った
これがモグラ流の手荒い挨拶だった
サンちゃんの肩をポンとたたき
「さぁ、行くよ」と言う間もなく
薬草の入った籠を背負って
ペンションの中へとスタスタ先に入って行った
「よろしくお願いしま~す」
大声をだしながら跡を追って走り出すサンちゃん
森の中の白いペンションは
澄みきったオレンジ色の暖かい夕陽に染まっていった
さてこれから再び「森の家」での
新たな生活が始まります
今度はどんな出来事が待っているのでしょうか?
今5時?
書いている途中で寝てしまいました
では再度
おやすみなさい
セカンド
2015/08/21 08:46:15
夢子様
どんな展開にするか自分でもわかりません?
のんびりとね
お楽しみに
さやたろ様
そうです
サンちゃんは心浮き浮き
山の上のペンション
また何か起こりますよ~
いしころ様
大丈夫年齢制限はありません
ご安心を
ただ募集をしているかどうかまでは・・・
そうです細長い箱はスコップだったんです
サンちゃんはこれで花壇を作るんですよ^^
いしころ
2015/08/21 05:15:20
重くて細長い箱は スコップだったのですね^^
サンちゃんの成長過程が楽しみです
いつか森の家で働きたいなって思いました
あ・・でも 年齢制限がぁ~そろそろ乙女に変身しないと~(^^)/
さやたろ
2015/08/21 01:48:45
さんちゃんのワクワクが伝わってくる!!
楽しいペンションですね♪♪♪
私にもヴィーナスからお手がみ届かないかなー
夢子
2015/08/21 00:26:49
セカンドさん、ありがとうございます。
楽しみに読まさせていただきます。
セカンド
2015/08/20 18:29:29
夜風様
そうなんです12時過ぎまでは覚えているのですが
気付いたら5時でした
いつもは3時ころまでは
大丈夫なんですけど・・・
新たな展開
どう進めましょうか?思案中
夜風
2015/08/20 16:28:01
うあΣ(*・∇・*)
セカンドさん、朝の5時にブログ書いてたんですね
その後ちゃんと眠れたでしょうか^ ^
どんなことでも始まりは
わくわくうきうき楽しい気持ち♪
また違った笑顔の咲く様子を
楽しみにしてますね~(*^∇^*)ノ