恭介

月の話  (4)

小説/詩

ややマイナーな話が続いたので、今回はメジャー所を・・・。みんな大好きギリシャ神話です。


月と狩猟の女神アルテミス。彼女はオリオンに恋をした。

アルテミスは清純無垢な、処女性のシンボル。双子の兄である太陽神アポロンは、その妹がプレイボーイのオリオンと恋仲になるのに大反対であった。

そこで二人の仲を引き裂くためにアポロンは考えた。

ある日、川を渡っているオリオンを見かけたアポロンは、彼に向けて日の光を当て、黄金色に輝くその姿を遠くからアルテミスに見せてこういった。

「おまえは弓が上手だといっても、あそこを渡っていくシカを射ることはまさかできないだろう」

それを聞いたアルテミスは

「兄さん、私を馬鹿にしないで頂戴」

と、弓を取り出し、ひょうと矢を射ってしまった。矢は見事に命中し、黄金色に光る鹿は川の中に姿を消してしまったのである。

川岸に打ち上げられたオリオンを見たアルテミスはたいそう驚き、嘆き悲しんだ。

泣き叫ぶ妹にアポロンは、オリオンとの恋は許されるものではない、女神としての自覚を持て、と言って諭す。 

ようやく落ち着きを取り戻したアルテミスは兄アポロンに言った。

「オリオンに出来るだけ立派な場所を与えてやってください。 そして、私の通り道からあまり遠くないところに・・・。」

銀の馬車に乗って通り過ぎていく月の女神のかたわらには、三つ星の帯を締め、ライオンの毛皮の楯を左手に、棍棒を右手に掲げ持つオリオンの雄姿が見られる。

冬の夜空に輝くオリオン座と月の美しくも悲しい物語。


  • 恭介

    恭介

    2009/09/13 04:13:57

    Re:ノポピーキララ さん

    そうですね、昔の人の想像力には頭が下がる想いです。こんなステキな話を星の光から生み出すとは。

    他に娯楽があまりなかった時代だからこそなのかもしれませんね。

  • 恭介

    恭介

    2009/09/13 04:12:07

    Re:ごえっちさん

    意外と、しらべ始めるとハマリそうな気がしますよ。わりと凝り性な気がしますから。

    北斗の拳はよく読んでいますw

  • 恭介

    恭介

    2009/09/13 04:10:17

    Re:はなちゃん

    オリオン座は、三連星ですぐにわかりますね。星座盤なんかで調べてみるとなかなか面白いですよ。

    そうですね父親に似たような感情かもしれませんね、でも殺させるのはねぇ・・・。

  • 恭介

    恭介

    2009/09/13 04:07:44

    Re:花音さん

    アポロンにも彼なりの正義が合ったんでしょうね。

    妹に変な虫が付かないようになんでしょうが、殺させるのは明らかにやりすぎなような気がします。

  • 恭介

    恭介

    2009/09/13 04:05:14

    Re:にゃんぴちさん

    神話は悲しい物語が多いですね。アルテミスはアポロンと絶交しそうですが・・・。

    こんな風にまとまるのはやはり神ゆえでしょうか?

  • ノポピーキララ

    ノポピーキララ

    2009/09/12 21:49:35

    月や星のお話しにはロマンがありますね~^^

  • ごえっち

    ごえっち

    2009/09/12 13:37:06

    わたしも↓はなちゃんさんと同じでオリオン座だけはわかります。

    (あ、北斗七星も一応わかるかな?)

    死兆星は見えません。

  • はなちゃん

    はなちゃん

    2009/09/12 09:57:37

    星を見るのは好きですけど、都会ではあんまり見えませんね(>_<。)
    オリオン座だけは唯一分かりますφ(..)メモメモ
    妹を思う兄の気持ちって父親にも似た感情なんでしょうか?
    切ないお話が多いですね(ノд・。) グスン

  • 花音

    花音

    2009/09/12 07:18:57

    可哀想過ぎる・・・。

    アポロンが嫌いになりそうです。

  • にゃんぴち

    にゃんぴち

    2009/09/12 03:13:50

    星を見るたびにオリオンの墓標だと思うとちょっと悲しいね。+゚(pωq)゚+。

    自分が射抜いてしまったなんてなおさら悲しい・・・