銃弾が国境を越える。
　日本製の銃弾が国境を越えて発射されることを容認した
法案が成立した。恐らく、この法案を考えた人も反対した
人も、法案が導く、これから先の風景を想像していないだろう。
これは想像力の問題だからだ。法律に瑕疵があるのも大切
だが、法案が可能とする想像力に瑕疵はないだろうか。

　ここで諸君。起立して聞いてください。
　我が国、日本は安保法制国家になったのだ。
　日本国民は、安保法制国民になったのである。
　国境を越えて、日本製の銃弾を発射できる法を整備したのだ。
　そもそも、あのカラシニコフ銃が世界のゲリラの武器になった
ように、今度はメイド　イン　ジャパンの銃がゲリラの手に渡る
のである。銃は命を守るためにあるのではない。自分以外の
生命を破壊するための道具である。撃たれる前に撃つ道具だ。

　しかも、全世界の民族を相手にしていくのだという。銃弾の
先に国境はない。刃向かう人間を撃ちに行くのだ。悪法極まれ
りだが、こうした国民になるために日本人は生活しているのか。
こんな状況を作り出すために国会議員を選んでいるのかといいたい。

　権力を握った軍隊は戦前、何をしてきたのか。
　天皇が鎮魂の慰霊を捧げられる気持ちは、どこにあるのか。
日本製の銃で発生した難民、彷徨う人々を誰が救済するのか。
泣き叫ぶ子供や飢えた家族が日本製の銃から生まれることに
日本国民は、どのような対策を考えているのか。見殺しにするのか。