幸運の女神
「幸運の女神は前髪しかない。」と、よく言います。
向こうの方から、笑いながら走ってくるという幸運の女神は、
近くに来たときに、すかさずその前髪を掴まないと、走り去ってしまう、
その後ろ姿は、ツルッパゲだとか…聞きました。
このオバハン(女神)はどう見ても正気ではないようなイデタチですが、
幸運とは、すぐに掴まなければ逃げてしまうという格言を、
印象深く教えてくれているのでしょうね。
わたしは、この幸運の女神の前髪を、
すかさず捕まえることが出来たのでしょうか。
今回の「オトナの秘密基地」及び「涅槃購入計画」ですが、
前に、ここでも書きましたが、
いろいろと端折っているところがあるので、
もう少しだけ詳しくご説明いたします。
そもそもの話しは、会員制海洋レジャークラブで、
いつものように仕事をしていると、
ヘンなお爺さんがひょこひょこ歩いて来て、
「この土地、買うてー」と言って来たからです。
その「この土地」と言った場所は、今回秘密基地が建つ場所ですが、
お爺さんは、わたしに「300坪ある」と言いました。
しかし、その後、法務局へ行って登記簿を調べたり公図をとっても、
どう考えても「222坪」が見当たりません。
お爺さん、とぼけたふりをして「海の中の222坪」を陸だと言って売ろうとしたのです。
まあ、それはそれでいいのですが、
「海の中の磯」(干潮時には潮は退く)に所有権があるなんて!と、
初めて知り、それから大急ぎでっ周囲の磯を調べました。
そうしたら、ほかにも所有権をお持ちの方が居たのです。
この人は、いま東京にお住まいで、
「和歌山に住んでいる叔父に代理で、売買に当たってもらう」と言ってこられました。
それは大助かり!
叔父でも叔母でも,甥でも姪でも、
ご本人に成り代わって、売買交渉の席についてくださるのなら、
こちらも大歓迎いたしますとご返事申し上げました・・・ら。
なんと。
「NPO法人学術団体の理事に入れろ」とか
「人の所有地(海)で何を勝手なことをしている」とか、
「小型ボートを締め出してしまえ」とかおっしゃるではありませんか。
あやうくブラックはなちゃんが登場するところでしたが、
ここはぐっと堪忍して、「売買交渉はご辞退申し上げます」と、
話しを白紙に戻しました。
正直言って、前者のボケたお爺さんが、海を誤魔化して売ってくれなかったら、
このすっとこどっこいバカ叔父に頭を下げねばならないのか!と、
気が気ではありませんでしたが、
お爺さんは、ごまかした222坪の海を、わたしに買い叩かれて、
指値の半額で、わたしに売ってくれました。
これは、白状すると、首の皮一枚で助かった!超ラッキーだったのです。
だって、バカ叔父が「人の海で!」「ボートを締め出せ!」とか言ってきても、
これで対抗できるからです。
半分は、うちの海でもあるんですからね。
で、昨日のことです。
わたしも長く、不動産業に携わっていますが、
「海の個人所有」があるなんて知りませんでした。
じゃ、アワビやワカメ、サザエは、漁業権なの?所有権なの?と、気になって、
農林水産局海産物管理課にお尋ねいたしましたら・・・
漁業権のほうが優位、その後、不思議に思った点を調べてみました。
そうしたら、エライことが分かったのです。
「滅失登記の申請」
なんでも、秋分の日と春分の日の満潮時に、水没する土地は、
所有権の滅失を登記しなければならない・・・
でええええええーーーーーっ?????
なに?
沈むところは、所有権登記できない?
これは、えらいことですよ。
しかし、現在、多くのところで係争中とのこと、
所有権に関しては、まだ絶対的な判例は出ていないようです。
だけど、恐ろしいことではありませんか。
首の皮一枚で、222坪の沈み磯を買いましたが、
このバカ叔父から、あと550坪の磯を買っていたとしたら!
所有権滅失の可能性があったわけです。
そんな嘘みたいな土地所有権、何百万積み上げて買っていたかと思うと、
こんな恐ろしいことはありませんよ。
バカ叔父さんが、代理人になって、
あれこれ難癖付けてくれたおかげで、
売買交渉が決裂したんです。
良かったー!
これこそが、「幸運の女神」の前髪だったように思います。
反対に、このバカ叔父を代理人に建てた、東京のほんとの所有者は、
これがおそらく売りつけることのできる最後のチャンスだったでしょう。
ご自分は東京にいて、恐らくこんな田舎の磯なんて興味もないでしょうに、
このあと所有権滅失義務のある磯を大事に抱えて、
固定資産税を支払い続けなければならないのです。
うちの滅失登記は222坪で済みますが、
お宅様は倍以上です。
このバカ叔父がしゃしゃり出てこなければ、
何百万円かで売りとばして逃げられたのにね~。
いやあ、世の中って恐い。
まだ、こんな知らない落とし穴があったなんて。
勉強になりました。
この沈み磯、やはり「涅槃」につながっていたのだと思います。
さあて。
どんどん、どんどん買い占めるぞー。
海、以外。
すずき はなこ
2015/10/17 06:55:59
大喜さん、おはようございます。
やっぱり飲食店経験者は、「お客様の喜ぶ顔」が見たいがために
仕事をしているって感がありますよねえ。
できれば、その「お客様の笑顔」をいただくための、
コストと手間をなくす方向に近づけられれば、四方良し。
やってるわたしたちも、ラクしたい。
誰かが、誰かを喜ばすために、「苦労してる」「泣いている」じゃダメなんですよねえ。
こっちもラクして、喜んでもらわないと。
その点、今、考えているオートキャンプ場は、優れものです。
なんせ、放っておける(^^♪
すずき はなこ
2015/10/17 06:47:29
まぎまぎちゃん、不動産に関わる仕事を長く続けていると、
熟語がいっぱい並んだ紙を読めるようになります。
熟語が読めるようになると、その熟語が4文字であろうが6文字であろうが、
アタマの中でイメージできるようになるものです。
そんなにたいそうなことではありません。
鈴ちゃんは、すごいな。
偉いと思いました。
大喜
2015/10/17 06:38:24
「海の中の磯」(干潮時には潮は退く)に所有権があるなんて
私もはじめて知りました
はなこさんはすごいなあ
結果に追われる人ではなく、原因をつくる人ですね
笑ってくれる人がいる
それが喜び
は、私も同感です
まぎまぎちゃん
2015/10/17 06:07:26
所有権滅失義務なのに固定資産税を支払い続けないといけない・・・?
搾取されてばっかり。って、ムッとするのですが、正直私にはややこし過ぎて太刀打ちできない内容です。
キッチり対処できるはなちゃんって・・・尊敬です。
それと、鈴ちゃんって素敵なひとですね。お2人、最適のパートナーだわぁ。って感じます。
すずき はなこ
2015/10/16 18:21:11
ちゃいろやさん、なかなか専門的なところをご指摘ですね。
ありがとうございます。
大丈夫。
3筆に分けて、売買しましたので。
と、言うのも、間に県が道路用地を買収していまして、
海と秘密基地は、道路で隔てられているのです。
そして、秘密基地と、もう1筆はまた分かれていて、
つまり全部で3筆です。
海が滅失登記になったとしても、
坪単価は、じゅうぶん格安で頂きましたから、
取引には満足しています。
要するに、このお爺さん、
海におおかた取られている222坪以外の土地は、
境界線もなにも、場所さえどこだか知らなかったのです。
(権利書もなくしているし)
普通だったら、詐欺だと言われても仕方がなところですが、
うちは公証人役場で、権利書の作り直しから申請しました。
まあ、手のかかるお爺さんでした。
すずき はなこ
2015/10/16 18:15:03
Mt.かめさん、ほんとにラッキ―だったと思っています。
あのバカ叔父のエラそうな態度ったら、思い出しても腹が立ちます。
でもね、鈴ちゃんがボソッといいことを言ったんですよ。
「あんな叔父さん、世の中の、いったい何に役に立つのかと思っていたら、
こーゆーふーに役に立ってくれるんだね~。」だって。
わたしはタダ、怒っているだけだけど、
鈴ちゃんは、どんなときでも「人の長所」を探せる天才です。
うん、イイやつやねー。
すずき はなこ
2015/10/16 18:11:00
Yukiさん、こんばんは。
この沈み磯自体が、国立公園内にありますので、
おそらくいかなる建築物も「建築許可」は下りないでしょう。
それに、塩害と言うのは恐ろしい威力です。
何を建てても、すぐに錆びてしまうのです。
せいぜい小型ボート出艇用のスロープを修理するくらいしかできないと思っています。
ちゃいろや
2015/10/16 18:09:06
300坪のうち222坪が海で、78坪が普通の土地なら
表題変更登記 ってのも何だかおかしいかな
とりあえず普通の土地の方まで売買が無効 なんてことになりませんように。
爺さん、金を返してなんかくれないだろうし・・・。
Mt.かめ
2015/10/16 16:58:03
災い転じて福、とはまさにこのことかも?
さすが幸運の女神がついてるはなこさん♪
Yuki
2015/10/16 16:41:13
この所有している沈み磯の部分を埋め立ててしまったり、杭でも打ってその上に家を建ててしまった場合、その場所の所有権はやっぱり所有権登記が可能なのでしょうね。
でも漁業権補償で多額の費用が掛かるかも。
とりあえず損失が生じなくて良かったですね。幸運は勇者に味方する、ですよ。