私の青春時代の「山小屋生活」 その4
お待たせしました!ここ2週間程、めっちゃ忙しかった…。
営業開始!の前に、前回の書き落とした事柄を書き足します。
除雪は男の子達のお仕事で、モノ凄く大変な仕事です。滑落の危険性と落雷の危険性と向かい合い、一時も気を許せません。
で、女の子のお仕事は、「穂高岳山荘小屋開けの記録」 https://youtu.be/tjyT1DDovms
に、あった様、凍り付いた小屋中の霜落とし、動画には無いですが、綺麗な雪からの水作りに、ひと冬越した小屋の大掃除。
ストーブを焚いても、室内が氷点下近い気温の中、肌の弱い私なんか、一発であかぎれに…。とってっも、痛いです。(T_T)
…。話、もってないよ?
山小屋の屋根の上に3mを超える締まった雪が載っかっているので、普通の状態では、間違いなく、雪の重みで小屋が倒壊します。
なので、北アルプスの山小屋は、その重みに耐えるために、サポートと言われる、追加の支柱が1m四方に一本程立っております。
(昔、一部の山小屋は組立式でした。雪解けの初夏に組立、晩秋に解体して、雪に流されない様、地面にしっかり固定しておきます。)
つまり、屋根の上の除雪が完全に終わるまで、沢山の支柱に囲まれながら生活です。食事時、ある人はその支柱を抱き抱える様に、ご飯を食べる事になります。
GW直前にヘリコによる、荷揚げあり、ここで漸く新鮮な食料と発電機の燃料、プロパンガス、そして、各人の私物が運び込まれます。\(*⌒0⌒)♪
「貴重な水からお湯を沸かし、洗面器一杯のお湯使って、顔などを身奇麗に。」と前回書きましたが、これですら、ホントに気持ちいい事なんです…。
GW中は、登山客相手の対応です。雪かきは残っていても、出来ません。雪崩の元となりますし、1m四方の雪玉が砕けて小さくなったとしても、登山客に当たると、とても危険です。
忙しいけど、案外、疲れません。天気のいい日には、登山客が沢山登ってきて、穂高連峰をはじめ、槍ヶ岳・前山にあたる、常念岳・蝶ヶ岳・遠くに、八ヶ岳・富士山の眺めを堪能してます。
忙しかったGWが終わり、半月を超える風呂無し生活が続いたので、雪の中でも、沢からの水が豊富な涸沢小屋に、交代で貰い湯に下山します。
(きったないぃ~!って言わないでね!山小屋生活はこれが現実。)
下山と言っても、まだまだ標高2350mの山小屋なんです。脂ぎった頭髪は、3回程洗い流した位で漸く泡が立ちます…。体も…。湯船に浸かった時ホントに極楽気分に…。
で!夕食は、お互いの顔見世とお疲れさん会も兼ねて、ちょっとした宴会です!楽しいひと時です。ここでも、「山想えば人恋し 人想えば山恋し」ですね…。
山小屋に戻ると、やり残した雪かきと「トーチカ(半地下で石垣で囲んで屋根を付けた施設)」と呼ばれる、夏季の従業員部屋兼倉庫から、水槽を出して、雨水を貯める準備をします。
注釈 この夏季の従業員部屋は、夏でも薄ら寒く、湿気が多いため強靭な山男でもない限り、間違い無く普通の人は、体を壊します…。
梅雨の時期に、屋根に落ちた雨水を一旦屋根下にある水槽に貯めて、その水を、ポンプアップで、屋根上の石垣にある水槽に貯めます。この作業はかなり重要で、山頂にある山小屋では、他に水を得る方法がアリマセン。
これを怠ると、夏山シーズン中に水が枯渇してしまいます…。ある年など、夏、晴天続きで、(水採りをサボってはないけど。)危なかったそうです。
この水採り作業と並んで重要なのが、夏道の整備です。雪解けと梅雨末期の大雨で、岩石が流れ、登山道が歩きにくくなります。
崩れた登山道を直すのに岩を運んだりして、印をつけ、危険な場所で、補助的に付けた鎖場の点検などします。
この梅雨の時期は、上記の仕事を終えるとヒマなので、雨の日24時間中20時間寝ていても、誰も文句は言いません。私は無理でしたが…。
そして、5月中旬~6月下旬に、交代で一週間~10日程の休暇を一人ずつとります。(街まで、下り道半日・登り一日がかりだから、毎週の休みは不可能です。)
雪しか見えない景色から、ネコヤナギをはじめ、緑香る上高地に降りてくると、とってっも嬉しくなります。
この休暇、旅行したり、ノンビリ過ごしたり、他の山域に登っちゃったり、人それぞれです。ちなみに、私は旅行しました。そのうち一回は、北海道へ行きました!\(*⌒0⌒)♪
前回、雷の恐ろしさを書きましたが、私自身雷に撃たれそうになった事がアリマス。下界では雷は夏の季節物なんですが、
山では、春も多いのです。周りに落ちるものがないので、雷は山小屋に落ちてきます。山小屋にも雷の通り道があって、旧館と新館のホンの0.5mの渡り廊下を通っていきます。
私がその場所を通った、0.5秒後に雷が落ち通っていきました…。その瞬間を見た同僚は、「死んだ!」と思ったそうです。
その時の雷の被害が酷く、数個の電球が割れ、数個の電球がソケットから分離し落ち、5割を超える電球のフィラメントを焼き切りました…。(一瞬ふわっと明るく光りました。)
そして、最大の被害が、発電機のモーター部分に、雷が流れ込んで、モーター線を焼き切ってしまって、その日はロウソク生活に…。
こんな私でも、色んな体験をしてるんですよ!なので、繰り返しますが、今年の7月の書いた私のブログ「私は驚いた!」「西伊豆の感電事故に物申す」で、エラそうな、事が言えるのです!ヽ(`Д´)ノ
そうこうしているうちに、かき入れ時の夏がやってきます。以下、次回!
べる
2016/08/12 08:50:36
読ませて頂きました(^^)普通は出来ない貴重な経験でしたね。これだけの経験積まれてたら色々な価値観変わりますね。私は気力はあっても体が昔から虚弱なんで、周りのみんなと医者にストップかけられます(; ̄O ̄)体動かすの好きなんですけどね〜
ほさな
2016/01/13 06:20:01
ここにすみません^^
かをるさん!いま東の空にキラリとした★発見!!!
これって明けの明星?わくわくどきどき・・・
かじやん
2015/12/31 01:01:25
こんな世界もあるんですね。
読んでいると、本当に大変そうだけれど、それでもそこで仕事をしたい!と思うほど
山というのは素晴らしいのでしょう。
お話のような生活に耐えられる自信は全くありませんが、貴重な体験をされてきた
かをるさんがちょっぴりうらやましいです^^
なつみ
2015/12/28 21:42:36
異次元!
いちか
2015/12/27 23:58:00
|ω・`)やぁ。
大変な経験でした(○ゝω・)b⌒☆NE!
中々出来ることではないですが・・
そのおかげで・・登山者は・・安心して登山を楽しめる・・。
働くとは・・傍を楽にすることとか・・♪
てか、私も・・近くに雷が落ちたことが・・。
私も・・外で働く仕事をしてたので・・。
目がくらぬほどの閃光と共に・・どかーんと・・。
一瞬何が起きたか・・分かりませんでした・・。
誰も・・けがはなかったけど・・。
怖い体験・・。
つむぎくん
2015/12/27 23:38:02
・・・・・一言コメントをば。
これ、本当に日本なの!?異世界過ぎます^^;
ビスト
2015/12/27 23:23:24
いや〜、以前テレビで山小屋の除雪作業は観ましたが、よりリアルで素晴らしい内容です。学生時分なら出来たかもしれない。(^^)