ボケについて思うこと。
　母親の介護をしていた時に、母からみて叔母に当たる人について
話をしたことがあった。母の叔母だから、私からすると遠い親戚
になるので、母の話す内容は初めて知るものであった。

　母は町名まで、はっきりと言ったものの地図では見当たらなかった
ので疑問に感じた。しかし、一度訪ねて見ようと思って、現地に
行ってみた。すると、町名が変わっていて、古いブリキ製の町名版が
貼ってあるのに出会った。母親が記憶していたのは正確であった。
また、母の叔母が嫁いだ家の表札も見つかった。つまり、古い過去の
ことを思い出していたのである。

　ただ、今のことをどうするか、目の前のことになると戸惑ってしまい、
どうすればいいのか、分からなくなってしまうのであった。ボケ防止は
過去のことを思い出すのではなく、次のことをどうするのか、これが
分からなくなってくることへの不安である。

　いくら古いことを思い出されても、役には立たない。過去と今との
関係を頭の中で整理していくことが、ボケ対策のようである。