脳活『為ブログ』341
『都市の美観』という冊子。
本棚を整理していたら、『都市の美観』というタイプ刷りの冊子が出てきた。昭和46年2月27日の裁判所の速記録である。当時、私の知人が電柱にビラを貼って、警察に逮捕されたのである。屋外広告物条例に違反したという理由での現行犯逮捕であった。この裁判では多摩美術大学の教授が、『都市の美観』について意見を述べておられる。冊子は教授の『都市の美観』に関する意見を印刷したものであった。
知人が全国に先駆けて、表現の自由と『都市の美観』とは何かを裁判で問いかけたものであった。検察官は一枚のビラであっても、「表現の自由というものと、都市の美観というものとは、ぶつかる場合があります」と言っている。
一方、多摩美大の教授は、ドイツの思想家ワルターベンジャミンの意見を参考にして、「ファシズムの本質というのは、現存の支配、被支配の関係というのを、そのままにして、大衆、いわば、美の崇拝に眠りこけさせるところに特徴がある。ファシズムは、そういう意味で、いわば、政治の耽美主義である。政治そのものが、非常に美を頂点とした機構になっている」と主張されている。
さらに、「人間が疎外されているのは、・・(中略)つまり、技術による疎外と美の概念による疎外とは、近代の二つの痛恨をなしている」と集約されている。
ちよっと難しい話になってしまったが、ファシズムは美をも操るということを言いたかっただけである。昔を掘り起こせば、現代に繋がって来るようだ。
あき
2016/01/11 18:05:36
都市の美観。
題名だけ聞いたら風景とか?
そっち方面の内容かと。
裁判の記録だったんだね。
しかも、ごまさんが知り合いの方とは。
表現の自由。
ビラを貼ることで美観に影響が出る。
なかなか難しい問題だと思った。
なんや、どうコメントしていいか?
分からないけど。
あたしなりに、色々考えさせられる内容でしたわ。