昔職業訓練高等学校に通ったことがあった。
「派遣の品格」とか言うドラマで篠原涼子？とか言う女優がやっていた役だけど
沢山のスキルを持っていたけど、其のやり方が何となく解った。

要するに「職業訓練校」に通うとその間失業保険が出るのだ。
其れで一年から二年通って、昔は結構失業保険が出たので
また就職して働いて、又別の職業訓練校に受験をして受かれば
また別のスキルが身に付いた。
子供も小学校に入学して保育園の心配が無くなった時に
そうやって働いては次のスキルを取る為に学校に通うと言うやり方を取れば
女性でも溶接工の資格を取っている人も居たし
色々な科に男性に交じって女性が居た。
其れとは別に家が大工なり、機械工場？なりの家の息子が
親の後を継ぐために通って来ていた。

当時は倍率も高く一クラスの人数も多かった。
私はちょうど教えている教師達と同じくらいの年齢だったので
ちょっと自分の科目とは関係ない科の授業を覗かせて貰ったが
其の厳しさと彼らのきびきびした動きと其の真剣なまなざしに驚いた。

其の話を殆ど同い年の教師に言うと自分の家の将来がかかっているから
真剣さが違うと言う事。
其の為に教師達も真剣になると言う事。

其の後、其の学校に生徒が集まらなくて廃校になると言う噂が出た。
生徒の質も変わったとの事で不祥事を起こす生徒も出たとの事。

当時は倍率も高く行き場の無い子供が集まる場所では無かった。

あの時の生徒は親の後を継いだり、親と一緒に仕事をして
結婚して家庭を持って子供を育てていたけど、
仕事もなくなり、廃業に追い詰められる所も多く
自分の子供に後も継がせなくなったので此の学校に通わせる必要も
無くなったとの事。

倒産に追い詰められて自殺者も出たと言う噂には昔の彼らの顔を思い出して
胸が痛んだ。

私は彼らの真剣な姿を見て何かが変わったのに。
彼らから学んだ物が在ったのに。

女性でも溶接工の資格取る為に鉄パイプを運ぶ姿に心を動かされたのに。

で、私は其れまでの経理３級だの其の他もろもろのスキルから
別のスキルを次の失業保険を出ている時に取る事に変えたのに。

あのバブルになりつつ在った時に将来に夢を描いて通って来ていた
「ボン達」は自分の子に其の職業をつかせる夢を見る事も出来なかったのだろう。

ちゃんと丁寧に見れば必要な公共事業だって在ったはずだと
私は思う。
形を変えても作って欲しかったインフラだって在ったと思う。

もっと知恵を柔軟に働かせれば当時だって保育園は足りなかった。

当時だって不便だと思っていた場所は幾らでも在った。

敵がせめて来る訳でもあるまいし、何でこんなに長い区間に橋が無いのだと
イラついている場所も在った。

其れなのに何でも無駄と切り捨てるあのパフォーマンスの様な会議に疑問を持った。
もっと細かく丁寧に先を見て考えた方が良いと思って見ていた。

そして産業を潰してはいけないと未来に繋がる産業に形を変える様にして行かないと
行けないと思った。

農業に関しても合理化と機械化と産業化を進めて少ない人数で単純作業は
機械にさせて大型化を進めて工場化して行かないと行けないと思った。

自分の代で農家を止めるので補助金を貰って自分の家で食べる物を作って
農家だと言うのは違うと思った。

此れは自家菜園と言って農家では無い。
そんな物に税金から補助金を出すのは無駄だ。
其のお金を未来の農業の為に産業として使わないと行けないと思った。

日本の国益、日本の将来、そして日本の未来を見て
現在何をしなければならないのかと言う事なのだ。

他国の為に日本が在るのではない。
日本の為に日本が在るのだ。

基本的な其れさえも日本は子供達に教えられないのか。