セカンド

白と銀と・・・

小説/詩

車窓から何気なく外を見ていた

すると少し離れた所に
白、いや銀色に光る花が視野に入った

通り過ぎる花を目で追った
それは花では無かった

枝が大きくうなだれる様に折れ
深くおじぎをしている

その葉の裏側が白銀色に光を反射している

その木の緑の葉の中に折れた枝の葉裏が
銀色に浮いて見えているのだ

それはやがて茶色く朽ち果てていくのだろう

暫くすると今度は本当の白い花が景色の中に見えた
何という名の木なのだろう

白い小さな花を枝一面に付けている
深い白色だ

先程の折れてうなだれていた枝地は違い
精気に満ちていた

折れた葉の裏側は白銀色に光を反射していたが
この花は深く白く光を吸い込んでいるのだ

折れた葉の裏側は陽の恵みを拒み反射させている
片や白い花は陽の恵みを目いっぱい享受している

命が去ろうとしているものと
命をこれから育もうとしているもの

車窓が教えてくれた二組の景色
そっと胸の内にしまい込んだ

春の風がそっとやさしく木々の枝を揺らし
陽の光はさらにやさしく木々に降り注いでいた








#日記広場:小説/詩

  • セカンド

    セカンド

    2016/04/26 01:37:01

    奈柚様

    光・・・パワーの源ですよね

    ホントは光を全て吸収する物体は黒く見えて
    全て反射する物体は白く見えるハズ

    でも白い花は力強く白かった
    いかにも光を食べているような感じを受けました

    葉っぱも裏と表の色が違う
    だから余計に銀色っぽく見えたのかな

    春の景色ってのんびりとしていて長閑
    でも力強い

  • 奈柚

    奈柚

    2016/04/26 00:59:09

    光を取り込んで生きる…
    光合成ですね ってちゃうかw

    光に祝福された命
    光に送られる命
    どちらにも光があることに感謝ですね

  • セカンド

    セカンド

    2016/04/23 00:31:51

    ミー様

    窓からの景色
    いつもと同じように流れて行きます

    でも季節や天候でも朝でも夕方でも
    微妙に違って見えます

    多分実際そうなんでしょうけど
    自分の気持の方が大きいかも知れません

    ポジティブな時、ネガティブな時・・・

    頭が単純なのかも知れません
    最近そう思ってきました?^^

  • ミー

    ミー

    2016/04/22 08:56:03

    こんにちは。
    そんなちょっとした光景に気付くようなセカンドさんの景色の見方は素敵だと思います。
    これから朽ち果てる木にも長い歴史があったのでしょうね、何を見て、何に出会い、何を思って生きてきたのでしょうか。
    いつも励ましありがとうございます、大変ですけど頑張ります!

  • セカンド

    セカンド

    2016/04/22 02:54:04

    夢子様

    春には春の
    夏には夏の
    秋には秋の
    冬には冬の

    良いところがありますよね

  • 夢子

    夢子

    2016/04/21 15:48:12

    季節の移り変わりを感じます。