脳活『為ブログ』462-5
空中のワープ。
ニワトリが机の廻りを駆けまわっていた。私は幻覚を見ているのではないかと自分の視界を疑った。異界の映像を見ているようであった。この時、屋上の方で女の声がした。何かを追いかけている音であった。私は何が起こっているのか、頭の整理が出来ないまま４階から屋上に上がる階段を見上げた。錆びた金属が擦り合うような音がして鉄製のドアが開いた。眩しい光の中に大きな籠を持った女性が現れ、スカートの裾が腿の辺りまで浮き上がるのを籠で庇うようにして屋上からゆっくりと降りてきた。まるで天空の魔女が地上に降りて来るような光景であった。
「お母さん。大丈夫。」と少女の声がした。
この声を聴いて、私は先刻、階を間違えてドアをノックした少女の親子ではないかと判断できたが、それにしても目の前で演じられている行動はなにだろうか。階段が螺旋状になっているので視界が螺旋的にしか開かれて行かない。だから、大きな鳥籠を手前に下げて、ゆっくりと気を配りながら階段を下ってくるのが精一杯の努力かもしれない。やっと、４階の踊り場に到達して、女性は私の姿に気付いた。
「本当に、すみません。ご迷惑をおかけしています。」
女性が手に持っている籠にはニワトリが一羽入っていた。
「何かあったのですか。」私の質問に答えるより先に女性の視線は部屋の中を駆けるニワトリの姿を追っていた。
「あら。こんなところにいたの。本当にごめんなさい。」
女性はニワトリ籠を持って、逃げる鳥を一気に鷲掴みにして籠の中に確保した。
「あーの。失礼ですが、ビルの屋上でニワトリを飼っているのですか。」
これは私の素朴で素直な質問であった。（つづく）
みき
2016/05/18 21:58:13
こんばんは。
今日は今年初めて、蚊に刺されました・・・(>_<)
どこかと申しますと・・・左手の薬指。
お家に帰ってきて、ポストに左手をのばしたときだと思います。
できることなら、指輪をはめたいところなのですけれど、こともあろうに蚊に刺されて。
痒いです(×_×)
痒いだけでなくて、赤く腫れています。
私、蚊に刺されても赤く腫れて、目立つんですよね～（涙）
早速、お部屋で蚊取り線香、つけました（爆）
・・・まだ、5月よ・・・
アメショ
2016/05/18 13:43:47
この小説、螺旋階段がキーっすか。宜しく。