「みなさん、世界経済はいま、不透明感が増大し、さまざまな下振れリスクを抱えています。このリスクから目をそらしてはいけません」

と、安倍晋三はのたまった。更に、

「リーマンショック直前の洞爺湖サミットでは危機を防ぐことができなかった。私は、その轍を踏みたくない」

世界経済全体が「リーマンショック級の緊急事態」というのは、明らかに事実ではないと思う。

彼はそんなデマの扇動をサミットという舞台でやってしまった。

参院選を前に、いよいよ明らかになってきたアベノミクスの失敗を隠すため。

日本経済が円高・株安で息切れしているのは、明らかにアベノミクスという政策の失敗で、株価が実体経済に戻っただけで、世界経済が“不透明”だからではないと思う。

ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相は「世界経済は安定成長への兆しをみせている」と安倍発言をバッサリ切り捨てた。

キャメロン首相は「財政出動は各国の事情に応じてやればいい」と従来からの姿勢を一歩たりとも譲らず、オバマ米大統領も、「各国がそれぞれの必要性と余力に基づき成長を加速することに注力する」

しかし、これはあくまで海外での話らしい・・・。日本のマスコミは、オバマ大統領の被爆地・広島訪問を大きく、取り上げている。政府による情報操作と私は勘ぐってしまう。

日本国内のマスコミからはほとんど批判が聞かれない。それどころか、「消費増税延期という結論は与野党同じなんだから、

野党がサミットの安倍発言を批判するのはおかしい」などと言っているテレビ番組まであったらしい・・・

格差是正は露ほども考えていないし、自分が公言した「消費税増税延期はしない」という言葉を選挙のために平気で破って、

さらにそれをごまかすために、国際社会の重要な会議を利用した。普通なら「日本のトップが恥ずかしいことをするな」と厳しい批判の声が普通なら、あがって当然じゃない？

ますます、他の先進国に相手にされなくなってしまう・・・。