ヤンキーに絡まれた！ ２０１６ （その１）
「おーい、バラキ（茨木）くーん」
「おう！ 待たせたな、セイジ（聖司）」
「遅いよ、もう！ ８分の遅刻だよ！」
「あ、そんなもんか？ ８分遅れたぐらいで、ぴぃぴぃ言ってんじゃねぇぞ！」
「ダメだよ！ たかが８分。油断してると、次は１０分、その次は１５分、どんどん増えていくんだからね！」
「何だよ！ 毎回出てくる、その数字は！」
「とにかく！ ５分前行動を心がけてよ！ バラキ君も小学校の頃、習ったでしょ？」
「ふん、なにが５分前行動だ！ この間、俺が３０分前に来たら、まだ来てなかったくせに！」
「そりゃそうだよ！ ５分前行動は、５分前に来ればいいの！ ３０分も早く来る必要はないし」
「お前、神経質すぎだぜ！ 昔の人は、２時間くらい平気で待ったってのによ！」
「え？ それって、いつの時代の話なの？」
「江戸時代に決まってんだろ！」
「ねぇ！ それって３００年以上も前の話だよね？ 今、何時代だと思ってるの！」
「ええと・・・、青春時代？」
「た、確かに、僕たち１８歳。 青春時代 真っ只中ではあるけど！」
「てか、なんで集合場所が、お前の高校の 校門前なんだよ！」
「わかりやすくていいでしょ？」
「よかねぇよ！ 先公にじろじろ 見られてんじゃねぇかよ！」
「え？」
「お前の後ろ！」
「あ、教頭先生！ あ、あの、この バラキ君は、殴りこみに来たわけじゃありませんから 」
「そうだよ！ まだ、なにも悪ぃことしてねぇぜ！」
「ねぇ、バラキ君？ こんなところで話すのもなんだから、場所を移動しない？」
「おぅ、のぞむところよ！」
「あ、そうだ。 すぐそこのコンビニに休憩コーナーができたから、そこに行って話そうよ」
「もっとよう、おしゃれな場所がねぇのかよ」
「ほら、ここ、ここ！」
「お、意外に おしゃれじゃねぇか」
「あ、でも、何も買わずに ここを利用するのは気が引けるね…」
「よし、何か買ってきてやるから、席をとっとけ！」
「席をとっておく って言うほど 混んでないけどね」
「買って来たぜ！」
「は、早かったねぇ。 え？ 文字数の関係？」
「ほら、俺のおごりだ」
「え！ バラキ君のおごりって、初めてな気がする…。 明日、梅雨入りしなきゃいいけど…」
「え？ 明日、梅雨入りするのか？」
「わからないけど…。 かなり濃厚」
「そうなのか？ まあいいや。 ほら、アイス買って来たから、食え」
「バラキ君って、アイスが好きだねぇ！」
「おぅ、あいす って言うくらいだからな！」
「あ、あの、バラキ君？ なあに、この、ガリガリアイス ねぎみそ味って…」
「地域限定だとよ」
「日本人って、なんで 限定に弱いんだろ…。 ねぇ？ もっと普通の味がなかったの？」
「普通、普通って、それ以上の普通はねぇだろ？ お前だって、ほら 毎朝 味噌汁吸うだろ？ それと同じだぜ」
「違うと思うけど…。 え？ なんで バラキくんは、おいしそうな色のを食べてるの？」
「ハチミツ レモン ソーダ味だとよ！」
「僕も、そっちが良かったよ…」
「超 うめぇ！」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「食ってるときは、静かだな？」
「・・・」
「俺、メリケン高校の代表を 降りることにしたぜ」
「え？ やめちゃうの？」
「おう 」
「つ、つまり 退学するってこと？」
「あほ！ 卒業するってことだぜ！」
「え！ 卒業できるの？ よかったねぇ！でも、卒業まで半年以上もあるのに、それって確実なの？」
「おう、リーマン・ショックや東日本大震災並みの危機が起こらない限り、卒業できるってよ！」
「え！ そうなの？ よかったねぇ！ 悪いこと たくさんしてたから、卒業できないかと思って心配してたの」
「不良高校に悪ぃことは付き物だろうが！」
「それもそうだけど…。 喧嘩だって 結構してたでしょ？」
「おう、それもただの喧嘩じゃねぇ、正義の喧嘩な！」
「誤爆もしてたよね？」
「たまにな！ だけど、それもこれも校則の範囲内だからな！」
「えー？ どんだけ、ゆるい校則なのー？」
「ゆるいとか言うな、大陸的と言っていただきたい！」
「え？ じゃあさ、バラキ君がやめた後って、誰が代わりをやるの？」
「今、候補者選びの選挙をやっているところだぜ！ 毎週火曜に投票したりしてよ！」
「え？ 選挙で決めるの？ 意外に民主的だねぇ」
「それで、だいたい二人に絞られてきたところだぜ。 ２年のヒライ（平井）と、同じく２年のドナリド（怒成渡）」
「え！ ど、ドナリド？ 変わった名前だね。 怒鳴ったりするの？」
「おう、声もでけぇが、言うこともでけぇ！ 俺らの高校と、メクス高校の間に壁を築くって言っててよ！」
「え？ なんで？ 仲良くしたらいいのに」
「メクス高校の連中とは喧嘩が絶えねぇし、ドラッグをやってたりして、」
「ちょ、ちょっと待って！ ど、ドラッグをやってるの？」
「生徒会長の父親がドラッグチェーンをやってて、気にいらねぇんだと」
「こ、個人的な妬み？」
「あ、そうだ、お前ら ヒノモト高校のことも言ってたぜ」
「え？ 僕らの高校のことも？」
「もし、ドナリドが代表になったら、ヒノモト高校の 核保有を認めるってよ！」
「か、か、か、核なんて、ほ、保有する気はないし！」
「まぁ、そう言わずに、２、３個持っとけよ！」
「も、持たないし！」
「お前ら、武器も持たねぇ 丸腰高校なんだから、持っとけって！ ただ置いとくだけで、抑止力になるんだぜ！」
「い、いらないし！」
「まぁ、お前なら そう言う思ったけどな 」
「もう一人の候補者はどうなの？」
「対する ヒライは、もし代表に選ばれたら、メリケン高校始まって以来の 女子の代表 」
「ちょ、ちょっと待って！ バラキ君の高校って、男子高校だよね？」
「そうだけど？」
「女子もいるの？」
「ヒライだけな。 ほら、なんて言ったかな…、ジェーンなんとか 」
「ジェーン・スー？」
「そうだったかな…、いや、人の名前じゃなかったぞ。 つまり心と体が一致しない 」
「性同一性障害？」
「そう、それ！ だからよ、本人は男と思ってるってわけ！」
「で、でも、体は女子なんでしょ？ 野獣の中に女子が一人で大丈夫なの？」
「それは心配ねぇ。 めっぽう強ぇからな！」
「そ、そんなに強いの？」
「おう、２年最強と言われてるぜ！ ほんと、同じ学年じゃなくてよかったぜ。 弁も立つが、腕も立つ！」
「じゃあ、ヒライさんが優勢ってこと？」
「そうでもねぇ。 ドナリドを支持するやつも多くて、ドナリド旋風が巻き起こってるほどだぜ！」
「でもさ、どちらの人になるにしても、バラキ君がやってきた平和路線を継承してほしいよね」
「ば、バカヤロ！ 平和とかイメージ悪くなること言うんじゃねぇ！ 俺が何したっていうんだよ！」
「何十年も交流を断絶していた、九番高校と よりを戻したでしょ？」
「ああ、あれな。 話してみたら、結構 いい奴らだったぜ！」
「それに、核廃絶に向けた取り組みもしてるでしょ？」
「核じゃなくて角な！ 世の中から角を取ったら、ま～るく治まるってもんだぜ！」
つづく！
バラキ君とセイジ君の二人は、昨年、一昨年のブログにも登場しています。 興味がある方、すっかり忘れてしまった方は、
↓一番下のコメントのＵＲＬから どうぞ。
みん♪
2016/06/30 22:13:34
バラキくんとセイジくんのやり取りがいつも面白いです(*´艸`*)
スカイボーヤ
2016/06/28 00:32:11
友也さん
文字数が足りなくなるかと思って書き上げてみたら、少し余裕があったりｗ
バラキ君、アイス選びでも もう少し気を遣ってほしいですよねｗ
代表選、どうなることやらｗ
友也
2016/06/25 09:57:03
文字数の関係ｗ
バラキ君の口が悪いのに、意外に気遣い屋なとこが好きですｗ
ヒライさんに一票！ｗ
スカイボーヤ
2016/06/24 23:52:29
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ヤンキーに絡まれた！ ２０１４ （前編） （2014.06.27）
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=56232854
ヤンキーに絡まれた！ ２０１４ （後編） （2014.06.28）
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=56233208
ヤンキーに絡まれた！ ２０１５ （その１） （2015.06.13）
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=59632269
ヤンキーに絡まれた！ ２０１５ （その２） （2015.06.17）
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=59659810
ヤンキーに絡まれた！ ２０１５ （その３） （2015.06.21）
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=59689594
ヤンキーに絡まれた！ ２０１５ （最終話） （2015.06.23）
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=59701474