「会員制海洋レジャークラブ」の進入路は、
一般車両通行禁止で、バイクも入ることはできません。
それでも、ときどき違反者が乱入してきますが、
違反者は、一様に退治して追い出しているかというと・・・
そんなことはありません。

いわば鎖国状態の我が居城に訪れる外国の使者（違反者）は、
時として、出島のごとく交易を許され、
親睦を暖め、旧知の友になることもあります。

先日、見つけた車両進入禁止違犯の乱入者は、
赤いバイクに乗った、郵便局の人でした。
張りだした小梢の影に、そっと身をひそめるようにして休憩しておられたんですね。
暑いもんね。
バイクで、いろんなとこ廻って疲れたんだもんね。
郵便配達の人は、顔見知りだけど、
この人は見たことのない人だったから、
保険屋さんかな？とか思いつつ、挨拶をすると、
「ゆうちょ銀行です(^^♪」とにこやかな笑顔。
しかし、笑顔の奥に、
なにやら異常な野心家の炎が「メラッ」と燃えたのを、わたしは見逃しませんでした。
「そこにバイクを停めていると、進入禁止違犯で警察が来るから、
うちで、アイス食べない？」と、鈴ちゃんと一緒にお誘いしました。

ひとなつっこそうなお兄ちゃんは、喜んでついて来てくれました。

鈴ちゃん、金融経済井戸端会議が大好きなんです。
EU離脱選挙の1か月ほど前のことでしたから、
国際経済動向と日経の平均株価について、
とっぷり日の暮れるまで話し合って、遊んでいたのですが、
このゆうちょ銀行のお兄さんが、解説してくれた通り、
その後の国際経済情勢は、激変しました。
いやあ、イギリスのEU離脱騒動は、とても面白く拝見しています。

このお兄さん、「経済」が大好きなんですって。
あ、正確にいうと「経済」と「バイクのカスタマイズ」が大好きなんですって。

それから、何回か、外回りのときにうちに立ち寄られます。
この間、「投資信託を始めました」と言ったのは、
そう、このお兄さんの入れ知恵によるものです。
投資信託は、このお兄さんの入れ知恵ですが、
うちへ来る理由を「顧客をゲットしました」と上司に報告できるぞと、
悪知恵を付けたのは、わたしです。

さて、どちらが顧客で、どちらが営業をかけているのでしょうか。
うふふ♪
どちら（お兄さんもわたし）も、お互いの顧客です。
お兄さんは、近い将来起業して、自分のビジネスを世に問いたかったんですって。
そのプランは、とても面白いモノでした。
それに加えて、彼の経済知識が底上げする特別な魅力があります。
彼の起業を応援しようと思いました。
面白い。

彼を見ていると、
「ひたむきな努力というものは、ある日、突然実を結ぶ」というようなおとぎ話を、
信じてみたくなる・・・そんな気になってしまいます。
このチャンスに、わたしも経済を勉強してみようと思いました。
新しい分野って、面白い。