脳活日誌506号
人生の転機とは。
読書会のメンバーの一人、一番若い男なのだが、会合が終わって喫茶店でくつろいでいると、ホッとした顔で「今月で住宅ローンがすべて終わりました」と言った。彼は島根県出身で奥さんは長崎県出身である。地方から都心に出てきて、夫婦共働きで頑張ってきた。二十代で小さな家を買った。彼の言葉では、衝動的に買ってしまったと言っていた。子供が大きくなってきた時に小さな家を売って、少し大きめの家に買い替えた。親の援助もなしに30年ローンを組んで59歳の今年6月に借金を完済したのである。本当にご苦労さんと称賛したい。
人生の節目とは家と土地を持って、完全に独立することだろう。それがローン完済である。今後は老後資金の貯蓄をしていかなくてはならない、と決意を新たにしていた。頼もしい男である。大抵の人は親の援助を多少受けて、マイホームを建てるか、私のように甲斐性のない人間は親の家に住み着くしかないものである。彼の場合、兄弟が五人の末子に生まれているから、全くの独立独歩でやってきた。家業は左官であったが、彼は印刷の世界で生きてきた。親とは分野も違うし、自らの人生を自分で切り開いてきた独立心旺盛な人物である。
彼の目標は出雲神話に纏わる推理小説を書くのが目標らしい。こちらの方はまだ芽が出ていない。彼は私に小説を書き上げたら自費出版して下さいと催促する。読書会のメンバーの最年長の方は彼の印刷会社で自費出版された。装丁の方も好評で、限定200部だったが、盛大な出版記念パーテイであった。私も何か、節目となる転機を作り出したいが、なかなか進まない。前途には課題ばかり山積している。
アメショ
2016/07/02 07:29:17
全部いい事なのに。結果、土地が売れない。家庭崩壊。売れない作家が、よぎる。あーあ。