ごま塩ニシン

脳活日誌518号

日記

   春先からの動揺が鎮まってきた。
 不確定要素が出てくると、先行きが不安になるために為替や株価が大きく変動するが、ここに来て、一休みしそうである。イギリスのEU離脱がユーロ圏の経済動向に与える影響を冷静に見つめられるようになってきた。言ってみれば、去りゆく者の後を追わずということだろう。日本の参議員の選挙の結果が出たが、政治的には混乱要因にはならないと投資家が判断したのだろう。また、中国の海洋進出に対する国際法の判断も示され、常識的な範囲で結論が出された。こうしたことから不明確な不安要素がある程度、払拭されたと言っていいかもしれない。

 潜在するリスクはある。それは中国の鉄鋼や住宅の過剰生産、バブル的な土地投機が何時崩壊するかである。それに加えて、韓国経済の行き詰まりである。自動車や造船、スマホなどの生産が過剰になって大企業の経営状態が悪化してきていることである。ロシアやインド、ブラジルなど発展途上国の成長が頓挫してきたことである。はっきり言って、明るい展望がない。これからは国際的な企業バトルが起こる。存続するか、倒れるかである。資本主義は企業合併で危機を整理してきた。この統合劇がどうように展開していくのか、日本経済の勝負どころが迫っている。

 企業の合併統合は先進国では日常茶飯事であるが、中国の場合は公有企業が地方の政治勢力と一体になっているために、企業の整理統合となると純粋な資本と資本の合併ではなく、政治勢力の消滅を意味するから、平和的に進展しない難しさがある。これから秋にかけて、国際的に何が勃発するか、先が読めない。国際的に有名な大企業が行き詰まる可能性がある。脅威は過剰生産による世界的なデフレである。