ごま塩ニシン

脳活日誌525号

日記

   美は共鳴し、共振する。
 美しいものに対する反応は人種、思想を超えている。世界遺産、奈良の大仏殿。カンカン照りの毎日だが、JRや近鉄の駅を降りて、いろんな国籍の観光客が大仏殿へ向かって歩いていく。大仏の吸引力。仏縁に預かりたいと思う人の流れである。観光客の大半は寄り道をしない。大仏殿へ一直線である。

 奈良の大仏像を見れば、巨大さの均整と堂内の静寂に不思議な安堵感が出てくる。
鎌倉の大仏とは違った、何かがある。信仰とは別に大仏に出合った自分が一瞬の安らぎを受け取る。大仏の前で騒ぐ人はいない。心のざわめきを沈めてくれる。不思議な霊力が大仏像にある。造形物が霊力を持つのは美に共鳴しているからだろう。ギリシャ彫刻や美術館にあるすべての彫刻と同じように、大仏像も職人が創作した造形美なのである。仏像と呼ぶにしても、強大な宗教美術品なのである。

 美は人の心に霊力を与える。人は美の霊力に共鳴し、共振する。見ることによって造形美から何かを受け取り、拝受して帰路につく。恐らく大仏像を仰いだ人は一生忘れないだろう。奈良の大仏の姿を年とっても思い出すに違いない。美の霊力は人の脳や心に深く刻み込まれる。東大寺には眼下に市街を鳥瞰できる二月堂や三月堂がある。三月堂は法華堂とも言われ、堂内に安置されている不空羂索観音像(ふくうけんじゃくかんのん)が有名である。私はこの仏像が好きで困った時には、遠慮なく頼みに行く。堂宇の静寂。シーンとした空気の中で観音像が現世を見ているように思う。溺れる者は我れの羂索に縋れと言っている。まさに美の霊力である。

  • あき

    あき

    2016/07/28 16:51:40

    ここにごめんね。
    ブログにコメントありがとう(*^^*)

    まともに返事ができなくて申し訳ないです。
    お礼だけでも伝えたくて、お邪魔したよ。

    一進一退…進歩は無いかな(⌒-⌒; )
    ながらも日々過ごしてるところですわ。
    自分にできる精一杯の努力をして頑張るね(*^^*)