レイチェル・アラヴァスタ~ベッドの上で~
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中にあるベッドの中で私は目を覚ました。
誰もいない。
ロウソクが1本ゆらゆらと揺れている。
それ以外は分からない。
私には名前すら無い。
世界に捨てられた・・・。
いや、本当にそうだろうか。
私は被害者を演じているだけなのではないのだろうか。
私の人生を決めるのは私。
私は何者なのか?
私が人生の主役なら。
私はすがすがしく生きたい。
今、この瞬間から。
私は多くの命に助けられてここまで歩いてきた。
見えない何かに生かされている。
私は知らず知らずのうちに両手を組み祈りを捧げていた。