脳活日誌535号

2016/07/30 12:08:03

　　　今年も先祖供養の季節。

　先祖と言っても若い頃は軽んじていた。無関心であった。それが年と共に

「ご先祖様のお陰」と思うようになった。なぜなら、祖父の建てた家に住んで

いるからだ。これほどの恩恵はない。改装に一千万円ほどは投資しているが、

それも一度に修理をしたわけではない。壊れてきた処から順次に修繕してきた

から、ローンを組んだこともない。ちまちまと、やって来ただけだ。

　この意味ではお盆の先祖供養である施餓鬼行事は欠かせない。例年通り今年も

八月一日にお寺へ行くことになっている。また、お寺からは八月十四日にお坊さん

が我が家に出向いてきてくれる。仏壇へお供え物をして御詠歌なるものを唱える

機会にもなっている。実際にあの世は、どんな世界なのだろう。死ねば、煙となって

灰だけが残るが、骨などの遺骨に精神が宿っているのだろうか。

　有機物から無機物になれば、有機的活動としての精神は彷徨うことなく物質に

還元されていくのだろうか。エネルギーは不滅だといわれる。形を変えるだけで

他の姿に変身しているだけ、と簡単に割り切っていいのだろうか。そうかといって

あの世にも行けず、この世で彷徨うのも嫌である。あの世では、物質は元素に還元

されているのだろうか。氷点下の宇宙空間に彷徨う素粒子にでもなっていくのだろ

うか。どうなるか分からないが、地球へは戻れないのかもしれない。しかし、地球

で暮らしている限り、あの世のことは分からないが、この世の行事をこなしていか

なければならない。元気な地球の命を守っていくしかない。守って、守られる。

ごま塩ニシン