アフリカの空(3)
動物を見つけると車は停車し、エンジンを止める。その度に、僕は、立ち上がり、窓からじっくり動物を観察した。
日本人はすぐカメラを取り出し、バシャバシャ撮るのでひんしゅくを買うって注意されていたが、むしろ同乗のイタリア人夫婦の方がそれに当てはまっていた。僕はそういうわけでなるべく写真は控えていた!
シマウマの大群がいた!
道を挟んだ両脇に数千頭はいようかと思う。いや一万頭以上かもしれない。「うじゃうじゃいる」、という表現がぴったり!僕は、ずっと立ち上がったままの状態でいた。
アフリカの真っ青な空のもとに圧倒的な数のシマウマ、言葉で上手く表現できないほど神聖というか、静かな迫力に包まれる。車はそのままゆっくりとシマウマの大群の間を走る。
標高1600mぐらいの地にセレンゲティが位置するので、空気はほんのりと冷たく気持ちがいい。遮るものがないので、匂いも音も含め、五感で自然を感じることができるのだ。
ちょっとした丘が見えた。その前にゾウが5頭いた。そのうち2頭が小さな子ゾウだ。その姿を車の上に立ったままじっと見ているだけで、ほのぼのとした気分になれる。
その丘が、ナービヒルゲートと呼ばれる場所だ。丘を登ってみる。空を見上げると、ハゲワシが数羽ゆっくりと舞っていた。気持ち良さそうだった。
丘を降りて、ランチボックスを取り出し、ピクニック気分で昼食をとった。セレンゲティとは、「果てしなき草原」という意味だと初めて知った。
午後に、サファリの続きが行われた。サファリとは狩猟隊という意味らしいが、もちろん狩猟なんてしないよ!(当たり前!)
どうしてそういう意味の言葉が観光に使われるのか分からないけどね。
「果てしなき草原」に、岩場がぽつんと現れた。数m、そんなに高いわけじゃないけど、その上に百獣の王ライオンが寝そべっていた。まさにライオンのための舞台って感じでそこだけがひと際目立っていた。岩がひんやりとして気持ちがいいのだろうか。数頭いるようだったが車が近くを通っても微動だにしない。
でも、日本のサファリパークでも同じらしい。ライオンは、日中は寝そべっていて、朝と夕方に活動するらしい。近くの岩には、ハゲワシがじっと止まっていた。ライオンキングの風景を思い出した。
しばらく行くと一匹のチーターを発見!車を止め、エンジンを切りゆっくりとチーター見物だ。遠くに、一頭のヌウが見えた。どうやら群れからはぐれてしまった子供のヌウのようだ。でも、まだ距離は遠い。ヌウの子供が歩いている中、ゆっくりとチーターが近づいていく。ヌウの子供はまだ気付いていない。チーターは、そろりそろりと、腰を低くしたまま草むらに潜みながらヌウの子供に近づいていった。
つづく
ジプ
2016/08/30 00:32:50
やはり本当のサファリは迫力が違うね~
シマウマの大群やゾウの親子、ハゲワシが空を舞って
映画のシーンの様だね!
セレンゲティ=果てしなき草原でのランチは美味しさも倍増ね☆
岩場で寝ているライオン…ライオンは寝ているっていう曲を思い出したww
チーターに狙われたヌウの子供の運命は?(@_@;)
ダチョウの卵の目玉焼きは、大きいけど1つじゃないかな?(◔‿◔。)