祖母の入れ歯がなくなるのは何回目か一々数えていられない。
下顎に入れる入れ歯は、ちょっと小さいので見つからなくなると厄介だ。
それで祖母にはしばらく古い方の入れ歯を使ってもらっていたけども、これは見つからないような気がしていた。
祖母は入れ歯をちり紙で包んだ上で放置する場合が多いが今回、入れ歯の上だけをちり紙で包んでいたので、下の方だけが見つからない。
ちり紙に包んだままゴミと一緒に捨てたのだろうか。
ゴミ袋を探すのだけど、分からない。
祖母が言うにはベッドの下がホコリだらけ　だそうだ。
それでベッドの下を掃除していると、入れ歯の下がそこに落ちていた。
ベッドから落ちたのであろう、それは数日ぶりに発見できた。
あーまったく、祖母には困ったものだ。

早速、入れ歯の上と一緒に消毒液につけようとすると、今度は上の入れ歯と古い下の入れ歯が見つからない。
本人に聞いても「入れ歯してないよ」と言うだけで、どこにあるかは教えてくれない。
洗面所のコップにそれは入っていたので探すのに大した時間はかからなかったが
この年寄りは決まった場所に置く事すらできないらしい。