日記ダイアリー徒然草

あんぴ

どうでもいいことを書いています

うすのろちゃん(1)

自作小説

プラットホームの淵に埋め込まれた無数の黄色いつぶつぶのついたタイルについて、思うことがある。先日その整然と並んだ突起に、その1つ1つに、悲しい運命へと向かう宇宙が埋まってることを知ったのだ。

僕の頭がおかしくなったと、君は思うかもしれない。或いはそうなのかもしれない、だけどそれはどちらでもいいことである。僕が見たものと知ったものが確かに現実であったのか、それとも何らかの病的なものが引き起こした妄想・幻覚であったのか、どちらであろうと、それは僕の前に現れ、そして僕を二度と元の形には戻れぬように変えてしまった。
そう、僕は変わってしまった。それだけは事実だ。だから今から話すのは、僕の変化の原因と段階についての説明にすぎない。ある種の手順の話、例えばテレビの接続やアヒージョの作り方と同じ類の話であって、疑ったり文句をつけたりなんてことはそもそもがお門違いなのだ。そんな風な話が聞きたいなら、いますぐ僕の眼の前から立ち去ってもらうに尽きる。そうじゃないなら、もう一度言わせてもらおう。

『駅にある点字ブロックに無数の宇宙が詰まっている』

僕がまず最初に行ったのは、重力の宇宙だった。