【お話】古びた本を開いたら
古びた本を開いたら、その先に、花園
もらったステキコーデ♪:20
おばあさまのお家はとても古くて、
大きな図書室には、見たこともないような本がいっぱい。
だれもいない、午後の昼下がり。
静かなそこで、見つけた本を開いてみたの。
そうしたら……まあ。
飴色の木でできた棚と棚の間に、
小道が見えたのよ。
たどって行くと、花園に着いたわ。
大気に満ちているのは、魔法の気配。
もう、おばあさまったら!
当代随一のフェアリードクターだっただけはあるわ。
こんな仕掛けを残しているなんて。
ここは誰の領域かしら。オベロン? ティタニア?
それとも別の誰かのお庭?
従弟がおばあさまの跡を継いで、二代目を名乗ろうとしているけれど、
わたしだって、おばあさまの孫ですもの。
フェアリードクターを名乗れましてよ?
油断はせずに、でも愛を持って、
この魔法じみた出来事を、解決して見せますわ。
***
前に書いた、「妖精専門の少年探偵」の続き。というか、スピンオフ。
跡を継ぐのを目指しているのは、一人だけじゃないかもねってことで。