【お話】フェアリードクターの仕事。
本から出てきた動物たちに、お庭の手入れを頼まれました。
もらったステキコーデ♪:14
従妹のアレイシアが行方不明。
おばあさまのお家の、図書室に行ったきり、姿が見えなくなった。
嫌な予感はしていたんだよ。
アレイシア、やたらと引きが良いんだ。
人が見落とすような、小さな違和感や、
出来事のほころびなんかを、
探してもいないのに、見つけちゃうんだよ。
でも、解決する能力がないから、
後始末が全部、ほかの人に降りかかるんだよね。
ぼくとか。ぼくとか。ぼくとか!
幼馴染の子はどうしてたの!? 一人にするなって言っておいたのに!
ぼくいま、妖精の女王様にあげるためのケーキ、焼いていたんだよ!?
うん、わかってるよ。
見捨てたりしないよ。従妹だもん。
でも、文句を言うぐらい、良いよね!?
おばあさまは、しばらく放っておいても大丈夫だって言っているけど、
あとになればなるほど、ややこしいことになってるんだよ。アレイシア、行動力だけはあるから!
早いとこ回収しないと、何がどうなるかわかんない。
ああ、やっぱり。
アレイシアの気配がする。
魔法が発動した跡もある。
妖精の小道に入るためのカギになる、
本が開かれてるよ……これだけたくさんある図書室の本の中で、
どうしてこれを引いちゃうかな!?
うーんと、道案内を見つけないと。
うん、ごめんね。あとでホットケーキ焼いてあげるから、頼めるかな。小鳥さん。
んん? 花園。
って、なんでこんなに荒れてるの!?
穴ぼこだらけなんだけど。アレイシア!!! 何やったのさ!!!????
妖精の世界のものは、何につながるかわからないから、
不用意に手を出しちゃダメって、おばあさまから教わったじゃないか!
あああああ。ごめん。ごめんよ。手入れする。手入れするから。
スコップ! じょうろ!
ほら、お花がよみがえるよ。きれいになったでしょ。
あれ?
なんか、なつかれた。えーっと、君たちここの門番だよね。
うん、従妹がゴメンね。連れて帰るからよろしく。どこにいるかわかる?
***
前回のお話の続き。
行動力だけはあって、知識がない従妹に振り回されるフェアリードクター。助けに来ても、「遅い」だの、「自分で解決できたのに」だの、文句を言われること必定。