おすわり
くーが。あすわりを覚えた。
伏せも覚えた。
でも、位置によると、
おすわり! とやったときに、お尻を向けられて座られることがある。
がんばってはいるのだが、
後ろ向きに座られて、いっしょうけんめい尻尾を振られると、
なんとも言えない気分になる(^^;
そういうのを見ていると、
昔、飼っていた犬のことを思い出した。
やっぱり、お尻を向けてお座りをする子だった。
なんでそんなことになったかと言うと、
鎖を長くしていたのだが、
それでもできるだけ、家族のそばにいたい! と、ぎりぎりまで鎖を引っ張って、こっちに来ようとするものだから、
いつも、首が向こう向き。
後足をいっしょうけんめい、こっちに持ってこようとして、
結果、お尻を向けた姿に。
おすわり、というと、
背中とお尻をこっちに向けたまま座り、首を後ろに向けて、
「うへへへへ」
という顔をしていた。
ほめてほめて! ということだったらしい。
わっしゃわっしゃ、となでまわしてやると、また、
「うひゃひゃひゃひゃ」
という顔をしていた。
馬鹿な子ほどかわいい。
という言葉を実感した。
そういう子であったが、自分なりに世界を感じて、考えて、
生きた。
どんな風に、世界が見えていたのだろうと、いま、
くーを、かいぐりかいぐりしながら、思う。
うれしい日々だったのかな
幸せだと、思ってくれていたのかな。
そうなら、良いな。ただ、そう思う。