脳活日誌767号
過去が蘇る。
雨だれの聞こえる土曜日。こんな雨の日は、古い資料をめくるのも一興である。処分すればいいものを、未練がましく沢山残している。三十数年前に考えていたことが蘇ってくるから面白い。自己史のタイムスリップである。この頃は松本清張を読み浸っていたから、清張に関する記述が多い。
昭和55年(1980年)鈴木善行首相の時代である。この年の7月3日付けの毎日新聞の切り抜きがノートに貼り付けてある。テレビプロジューサーの某氏が、「コルト45口径USAアーミー」などのピストルを所持していたことで逮捕された記事である。某氏はテレビに次々ヒット作をプロジュースし、「トップ屋」「三匹の侍」や「眠り狂四郎」などを演出。これらの作品は面白かったので、今でも覚えている。
この記事の裏面が地方版になっていて『大和の花』という囲み記事に「ウツボグサ」のことが書かれていた。スクラップした理由は多分に清張の影響だろう。記事を書いている人は奈良女子大学助教授菅沼孝之氏で冒頭に「ウツボグサの花はリトマス試験紙である。」と書いていることに注目したのである。記事によると、菅沼氏はウツボグサを踏みつけてしまった。アリの群れが居て、紫色の花がアリのギ酸によって赤色に変色したというのである。
こうした偶然の変化を応用して推理小説の材料に出来ないかと当時の私は考え、新聞を切り抜いた。残念ながら、未だに推理小説は完成していないが、当時の心意気が思い出されて、懐かしさが蘇ってきた。
アメショ
2017/04/08 14:12:47
村上 春樹氏の本は、読んだことありますか?
ありましたら、本のソムリエ願います。
今、津村 記久子氏の「やりたいことは2度寝だけ」を読み始めた。