まったり時間。

しの

ほんのり楽しい、まったり時間。そんな場所。

【お話】お届けものです

コーデ広場

今日のお仕事は、おつかい。


お届けものを、魔法横丁のうさぎの店主から頼まれちゃった。

魔法蜜をたっぷりたたえた、お花のバスケット。

恋の歌と涙をあつめた、すみれの花束。


「この時計を持って行けば、目的地に着くからね」


そう言われて、時計をぶらさげて来たんだけれど。

どこをどう行けばって、教えてもらえなかった。それでも大丈夫だからって。

うさぎの店主との付き合いは長いけれど、時々、言っていることを省略されすぎてて、

困るんだよね。

とにかく、まずは、家に帰ろう。そう思って、いつもの列車に乗ったんだけど。

んん? あれ?

なんだか、いつもより、時間がかかっている、ような。

トンネルも、長くない?



「ねえねえ、外を見て」


えっ? でもまだトンネルの中じゃないの?


「違うわよ。ほら。見て」


妖精たちに言われて、外を見たら。


「え、夜空?」


暗いと思ったら、トンネルの中じゃなくて。

そこには、一面の夜空が広がっていた。

すぐ側を、星がきらめいて飛びすぎてゆく。

慌てて列車の前後を確かめたら、なんてこと。空を飛んでいた。


「大丈夫」

「そうよ、大丈夫。これで、次元の扉がくぐれるわ」

「そうしたら、あちらで待っているお姫様に、この花を届けられるわね」

「恋のおまじないがしたいんですって」

「相手は誰かしら」

「ウフフ」


びっくりしている僕をそっちのけにして、妖精たちがおしゃべりしている。

あれれ。おつかいって、

別の世界に届けてねって事だったの?


***


久々に、フェアリードクターシリーズ。

銀河鉄道の背景がもらえたのと、お茶の花のパンツが手に入ったので。異次元世界までおつかいに行く、フェアリードクター。

魔法横丁のうさぎの店主は、新しく作ったお部屋にいます。