地球という星のなかで石が産まれるのは
宇宙からさまざまなエネルギー線が降ってくるからだ
そうして生れた石はひとつひとつ違った個性のパワーを持つ

だから、石はその石に合った人を引き寄せる力を持つ
家にはそういった石がいくつかある
夢に見た石を探して江の島まで採りに行ったこともある
だが、指輪を買うというのはめったにない
指輪になっている石を手に入れるときは何か理由がある

大きなトルコ石の指輪は、
銀河のように星がたくさん集まっている
その星の集まり方が字に見えた
「ふし」というひらがなと「富」という草書体が書かれていた
字に見えるというのが、おもしろい！

小さなトルコ石の指輪はもっとおもしろい
埼玉県の大宮の町を歩いていたとき
指輪が閃いた
閃いたのは青い石の指輪だった
立ち止まるくらい強い力で
頭がいっぱいになった
指輪に呼ばれたと感じた
ぐるりと見回したが、指輪を売っているような店がない
名前を呼ばれているのに
呼んでる人がどこにいるのかわからないという感じだ
これだけ強く呼ばれたんだから
目の前の店に入って聞いてみようと
本やら食べ物を売っている店に入った
とても指輪を売っているような店には見えない
店の人に「指輪がありますか？」と聞くと
まだ、店に出していないんですが…と
店の奥から指輪が２０ほどならんだボックスを持ってきた

閃いたのは、形のいい、シンプルな素直な石だ
パステルカラーの春の明るい空色だ
トルコ石の小指につける指輪を選んだ

それからすぐに埼玉に引っ越すことになって
引っ越しのときに「いなくなった」
あの石はきっとわたしが住む場所を整えるためにやってきたんだろう
トントンと目の前に不動産物件が現れ
ローンがたやすく組めて
事が進んだ

石は役割が終わるとどこかに行ってしまう
優しくてほわんとした指輪が
今は誰かの机の上か
小指にあるんだろうか
指輪の石も星のように巡り巡って行く


（星に関する本が思い当たらなかったので石の話を書いてみました）