『銅鐸民族の悲劇 戦慄の古墳時代を読む』を読んだ
古代の女性はどんなだったろう?
という疑問が長年あった。
古代の女性といえば
「ヒミコ」「アマテラスオホミカミ」「アメノウズメ」
ぐらいしか知らなかった20代のころ
高群逸枝の「女性の歴史」を読んだ
「イシゴリドメ」という女性が
天の岩戸開きのときに用いた「(銅)鏡」を造り
現在でも工業神として伝えられていることを知った
時代の権力に要請されている「アマテラス」や
裸で踊った「アメノウズメ」は有名だが
「アマテラス」に自分の顔をうつさせた鏡を造ったのも
女だったことを知って雷の一撃を受けたように
ビビッと全身がしびれた
わたしは育児休暇中だった
文化人類学のモンタギューが書いた
「女はすぐれている」という本のタイトルが
朝日新聞の一面に「女はすぐれているなどということをいう不埒な女がいる」などと書かれたり・・・ちなみにモンタギューは男性です・・・
「子どもを産む以外、すべては男が作りだす」という経済界の大物の性差別意見が掲載されたり
新聞は男社会のためにあるのか
と、ウツウツとしていた
古代に銅鏡をつくるということは
鉱脈発見・発掘・精錬から鋳造まで最先端技術が必要であろう
そういう技術をもって女は働いていた
裸にならなくても
子どもを産まなくても
女は働いて生きる場を持っていた
そういう視点でいえば「ヒミコ」も「アマテラス」も織女だった
そうだ!
与えられた情報だけをうのみにしちゃいけない!
新聞は行間を読め!!!!!
新聞が書かない女自身の視点を解き明かすんだ!
と、まあ、おおげさに言えばそんなふうに奮い立ったわけです
そして50年・・・
ないねえ、「イシゴリドメ」も「銅鏡」も
この前、ブログに書いた「姥宮神社」を訪ねていったときも
神社の集会所にいた村の総代が「イシゴリドメ?そんなの聞いたことないなあ」
と言ったぐらいだ
主祭神だよ・・・
まあ、どこでも同じようなもんだから
あきらめもしなかったよ
この50年やってきたことだ
銅鏡にしても「古代の中国から卑弥呼への返礼に100枚贈られた」としか
判っていない
文献や本を読んだ結果
古事記以前って
日本には出土物以外何もない
ということが解った
こんなに見事に何もないっていうのは
日本ぐらいじゃないか?
もしかしたら、女の時代だったのかも~と淡いロマンを感じたい
もし、そうだとしたら追われたケルト民族や
魔女時代のような歴史があるのかも
まあ、古代ミステリーってやつですね
ところで、近年、大量の「銅鐸」が出土した
国内で鋳造されていたという証拠の鋳型も出土し
「銅鐸」と「銅鏡」の素材成分が一致した
つまり、高度な技術が必要な銅鐸が古代日本の国内で
発掘され、鋳造され、製造され各地に運搬されていたということだ
そんな経過で、ここ10年ほど「銅鐸」関連の文献や出版が増えてきた
そこで図書館で目についた『銅鐸民族の悲劇 戦慄の古墳時代を読む』
を借りてきた
前書きが長くなったが
今回読んだ『銅鐸民族の悲劇』のカルチャーショックが大きかったので
自分の道筋の整理にお付き合いいただいた
さて、銅鏡のことは横に置いておく
ひとことで言ってしまえば
「古墳」に対する視野が広がった
それも「古代ロマン」から「戦国古代」へと180度の展開だった
そう言われれば、今まで疑問に思ってきたこと
「なぜ、古墳は基礎工事がされていないのか?」
「なぜ、古墳は建造物の大きさに対して墓がちゃっちいのか?」
「さきたま古墳は、なぜ、びっしりと隙間なく古墳が作られたのか」
納得いく答えがこの本の中に資料付き、参照文献つきで掲載されていた
いわく
「古墳の水堀は空堀だった」
「古墳は墓ではなく収容所だった」
そうか、そうだったのか
いきなり、巨大な大仏とかができちゃうわけがないという疑問で
大仏製造から銅鏡の線を追ってみたり
いろいろしてきたが
結局、神社って何も知らない、何もわからない処なんだなあ
という感想は書き換えられた
神社の能書きに目くらましされてきたのではないか
あるいは、事実を覆い隠してきたのが「神話」と「神社」なのではないか
久々に探索者魂を揺さぶられた
ひとまず了
るう
2017/09/06 16:29:17
八咫鏡は有名ですが作った人はどんな方なのか詳しく書かれていませんよね。
ウィキを読んでも詳しい人物像はわかりませんし。
イシコリドメを祀っている神社は多いのですね。
昔も女性はいろいろな分野で活躍していたと思います^^
べラヒギンズ
2017/09/05 23:31:34
師匠ーーー!!
遠隔ヒーリングありがとうございます。ほぼ当たってると思います。
何もできない自分が本当に不甲斐ないです。。
これからはメメコの残り少ない命の動画をたくさん撮って、あの子にうちに来て良かったと思えるように色々としてあげたいです。
トシraud
2017/09/04 22:33:21
713年の律令制で、これってかなりの重税で各地で抵抗運動があって、、、人間の交流が盛んだったんですね。古城祉めぐりサイクリングから、いろんな飼料冊子を読みふけってしましますw
それよりも古いお話!!!
ルルルのル^^
2017/09/04 21:51:12
歴史は、史実とは、異なり、、時の権力者に都合よく、、書き換えられているような気がします
ナスカの遺跡から発見されたミイラが、、地球上のものではないとか、、、地上絵が、アンコールワットに
つながっているとか、、」世の中、、わからないことばかり、、
たまねぎ
2017/09/04 21:23:35
銅鐸をきっかけにいろんな謎が解明されていく・・・すごーい!
大好きな古墳ともさらに距離が縮まったのですね。
次は神社と神話に切り込むのかしら?^^
Mt.かめ
2017/09/04 09:13:03
わたしは高田崇史の歴史ミステリで古代史の
裏側や、ぼーーっと「なんかつじつまがあわない気がする」と
思っていたところが、スッキリしましたねー。もちろん、ミステリですから
フィクションなんですが、「そう考えるとしっくりする」という部分が多かったですね。
だいたい研究者だって出土物から想像するしかないわけで、フィクションと似たり寄ったりの
状況だとおもうのですが。まあ逆に「フィクション」の看板を掲げたほうが大胆で
核心に迫った考え方もできるのかもしれませんが(笑)