今年は感想を書く訓練なのだ

吉春

自分の思った事、感じたままを人に伝える事って実は難しい。「なにそんなんで感動するわけ?」って事が往々にして起こりうるからだ。

大切な何か(01)

自作小説

老夫婦

今日、私は嘘をついてしまった。
そう、つかずにはいられなかった。
訪問サポートのあいだ、あれこれ世間話をするのだが。

タバコが止められない夫とか、濃い味が好みの知人だとか、他愛もない話の内は良かった。
私の話になって子供は居るの?との奥様の質問に、ハイとそっけなく答えた私。
何にも変えられないほど、どうしようもなく可愛い娘がいるとは言えなかった。

まもなく旦那さんが帰ってくるやいなや、奥様はそそくさと部屋を出て行った。
しばらくすると、そうそう外食などしている身分ではないと言う夫に、
昼の支度をし終えて戻ってきたようだ。

私もかみさんと年金がもらえる年になったら、こう言う生活を送るはずだった。
何もかも失って一人ですとは言えなかった、話の腰を折って気まずくなってしまうからだ。
奥様の家庭の幸せに水を差し、
さらに自分のみじめさを、知られたくはなかったのだ。

前向きに生きよう、不幸を数えるより、幸せを数えていこう。
それがほんの数えるほどでしかなくても、何回も何回も数えなおそう。

これは、ある馬鹿な男の日記をもとに、制作された物語である。
この先は、少しページをめくり直し、男の記録を覗いてみよう。

忘れてしまったが、この家へ来て何年たつのだろうか。
とにかく今は、いろんな事で頭がいっぱいで、書きたいこともまとまらない。
とにかく、この部屋で寝起きすることは、もうないだろう!
いや、その日が再び来るかもしれないという、希望がないと今は辛すぎる。
無いに等しい望みを枕に、いましばらくしたら寝ることにする。

つづく

  • 吉春

    吉春

    2017/10/03 14:52:28

    (・ω*)
    安心してくれ、創作だ。
    いや、ある意味残念かもしれないがw
    (意地悪な言い方だと、人の〇〇は蜜の味)

  • £ゆうな

    £ゆうな

    2017/10/03 14:20:02

    これは、創作ですよね?
    少々、悲しい気持ちになりながら読んでいました。
    このお話も続くのですね^^