nekoyama の つれづれ日記♪

nekoyama

つれづれなるままに書かれる日々のものごと

破壊

日記


半透明灰色の障壁の裏側に明滅する光が見える。

ばん、ばんっ、と金属の棒が叩きつけられる。

だめだ、メンテナンスハッチさえ無いぞ、

どけ、

棒を振り下ろしてた男を押しのけて、別の男がエンジンカッターを押し付ける。

すぐさまにカッターの接線方向へ、白い煙の様な細かい粉が飛び始めた。

ものの数分と経たないうちに、分厚いポリカーボネイトのボディは2つに切断されてしまった。

切断された縁を両側から男たちが力任せに引っ張り、隙間を広げる。

別な男が中へ割って入り、中の構造体を探し始めた。

見定めた箱状もものの周りの配線を切り、留め具を外し、外の男に渡す。

男は近くに止まっているトレーラーの末尾にあるドアを開けて、中で待っていた男にそれを渡した。


男は慎重に箱を分解し始めた。

取り出した基板に電源、基板上の配線パターンに針状のプローブを立てて行く。

たちまち内部のストレージ領域をダンプし始めたが…

ダメだ、消されてる。


作業台の隣に設置されている端末に呼び出しを掛けると、
画面に別の場所にいる男の顔が映り、話し始めた。


危惧した通りでした。破壊プログラムが用意されていた様です。
内部データを送りますが、無意味なランダムデータだと思います。

判りました。一応、作業メモリも浚って送って下さい。
一通り終わったら、本体ごとこちらに輸送をお願いします。

了解しました。では、後ほど。


ドアから路上に降り立つ。

目の前には、破壊された扁平なボディの周りを
作業服の男たちが囲み、一斉に男の方へ視線を向けて来た。

男は両手のひらを天へ向け、肩をすくめてみせた。

一斉に男たちの緊張は解けて、落胆の色を見せる。


燃え融けたゴム、ひしゃげた円筒形のホイル、

人の乗る座席の無い自律車両だったもの。

これを建造して運用していた者への手がかりは、

ゴミクズだけになってしまった。

  • しの

    しの

    2018/01/02 19:19:37

    おう。突然えすえふ。

    ちょっと続きが気になるぞ。

    新年の寿ぎを歌って回っています。幸いと平和があるように。幸運がありますように。

  • ✽ 桃華 ✽

    ✽ 桃華 ✽

    2018/01/01 23:36:31

    27日からタウンでお年玉やってるのを気がついたのが31日でした(笑)

  • カトリーヌ

    カトリーヌ

    2018/01/01 00:59:43

    突如の展開!!
    nekoyama様の小説は初めて。。。

  • ✽ 桃華 ✽

    ✽ 桃華 ✽

    2017/12/31 19:25:24

    随分とご無沙汰してる間に

    小説もどこからどこへと進んだのか(´;ω;`)シクシク

    この前の分の小説がわからにゃいや><

  • み♡こと

    み♡こと

    2017/12/31 17:41:52

    nekoyamaさん^^!日記?これ日記なの~
    と破壊的に慌てふためくみことです

    小説書かれるんですね、面白いです

  • 唯香

    唯香

    2017/12/31 02:11:54

    時々、自律車両を見るのよ。
    一所懸命、芝生で運転練習をしているみたい。
    AIなのかcloudなのかはわからないけど、
    頑張っていることだけは確かなんだわ^ ^