nekoyama の つれづれ日記♪

nekoyama

つれづれなるままに書かれる日々のものごと

拾遺

日記


生産場所の特定は難しく無かった。

車両の自動組立工場は多くは無い。

工場に残る発注記録を見つけ出してゆく。

ほとんどが国内調達部品で作られてゆく車両の群れの中に、
異質なものが混じっていれば目立つのは道理だ。

特注で組立られている車両は、ラインから外れて
特別な工程で部品が組み付けられている。

量産ライン自体が、発注元の数量が多いものに合わせて、
柔軟にライン自体の組み合わせが変わってゆく。

そこに収まり切れないモノについては、
ほぼ別室で時間を掛けて組立られる。

特注部品の調達に時間が掛かるものは、
長い時間放置され、飛び飛びの短い時間で組立が進むために、
記録時間が分散されて、他の生産記録に埋もれて
見つけ出すことが困難になる。

…意図的に?

最終段階の出荷検査さえも、数度に渡り不合格が記録され、
改良設計され、部品が調達されるまで、長い時間が空く。

最終検査合格の記録の下から、やっと連続した記録が残り、
出来上がった車両の全体像が判る。

出荷と言っても、AI車両は予めプログラムされた納品先へ
自力で移動して行く。

工場の門を出てゆく車両の映像が残っていたが、

ネット経由で車両にダウンロードされた、プログラムは、
発注者の所有であり、工場設備内には一切残っていない。

どこへ向かって行ったのか、誰が発注したのか、残って居なかった。
世界中から集められた部品の製作会社に残された、発注者の情報も、
幾つもの会社を経て、最初の発注元は隠されてしまう。


幾つもの構成部品を洗い出し、機能を類推して車両の能力を計る。

目的はなんだったのか。