ユースケ

『終りなき戦い』に挿絵はあったか?

小説/詩


さっきから気になって気になって、大脳基底核の横っちょを掻きむしりたい。
ジョーホールドマンの出世作『終りなき戦い』の初版のハードバック、
敵であるトーランの挿絵があったかご記憶の方、いらっしゃいませんか?

主人公のマンデラ二等兵が敵勢力下の惑星に降下し掃討作戦に臨む場面、
この作戦が『パンティレイド』という俗称で呼ばれているという表現がある。
なにゆえパンティなの?と思ったが……イラストで納得した記憶が。

トーランが一体、飛行機械に乗って偵察しているイラストがあり、
確かに顔に当たる部分が、女性下着ソックリに描かれていた気がする。
十代半ばの記憶である。図書館で読んだので持ってない。

文庫版には挿絵はない。てっきりハードカバーで見たと思っていたが……
以前古本屋で手に取ったハードカバーにイラストは……無かったと思う。
え、いったいなぜ俺はそんなイラストを妄想したんだ? 思春期の性衝動か?

いやいや確かにモノクロの、かなり精緻な作画だった。
海外で出たペーパーバックを神田で見たのだろうか? 謎である。
加藤直之の画集にも、パワードスーツしか無かったと思うんです。

この件で悩んでいるヤツは全世界に三人くらいしかいないと思うんですが、
万一ご存知の方がいらっしゃったならお知らせくだされたく。
以下はこの作品と彼の好きなトコ、閲覧不要です。

出版後、ある読者からホールドマンが貰った感想が納得である。
「ベトナムへの介入から終結までを描いたのですね」という卓見。
私は彼を、第二次大戦後のロストジェネレーション代表だと思ってます。

受賞後第一作の『マインドブリッジ』という名作は知られていない。
地球外惑星を探査し開発する未来のデベロッパーの下っ端隊員が、
ある惑星で精神感応を可能にする生物を発見して……これもスゴイ話。

いわゆるブルーカラー世代とドロップアウト組の悲哀がほのかに漂う。
一種壮大な結末はあるのですが、静謐感もあり、そこが非常に宜しい。
抗えぬ強大な現実の中で、大した役にも立たず生きた人物を上手に描く。

処女作の(思想的)続編として知られる『終りなき平和』もなかなか。
民族対立や局地戦が背景にあったのも先取り感があって感心した。
こちらにもヒーローはいない、と思う。市井の人間の生き様が美しい。

正統派の続編もあるそうです。こちらは『ジェンダー』が主題なのかも。
『終りなき戦い』後半では、未来の地球は異性愛者が性的変質者扱い、
主人公たち旧世代の年寄りは、異性愛者だけを隔離した惑星に送られる。

この問題も頗る現代的であり、同性婚が市民権を得た現代、
彼がどのような結末を持ってきたのかを読みたいですねぇ。
バイセクシャルといった解決は取らないのではないか、と妄想してます。


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  • ユースケ

    ユースケ

    2018/02/26 18:11:51

    >アベイユさん

    お手数かけてしまいました、有難うございます。
    ハードカバー、それ読んだはずなんですが……イラスト無かったんです。
    文庫は私の持ってる版と同じ、加藤直之の見事なイラストのヤツですね。フィギュアがあるそうです。

  • アベイユ

    アベイユ

    2018/02/26 00:16:29

    この本読んだ事がないのですが(SFは好きだったのですが 最近は本が読めなくなってしまいました)少し調べてみました
    ↓ハードカバーの初版本はこんなです
    https://hanmyouken.net/?pid=113839294

    ↓ヤフオクですが 文庫本の表紙 
    https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/q149558936

    少しでも参考になれば嬉しいです