2015年4月に始まった箱根の火山性地震は2016年7月にレベルが下がった
それでも少し様子をみてからと時が過ぎ
新しい噴火口も落ち着き林への延焼がなくなり
箱根山の鳴動が聞こえなくなったと聞いて
2年ほどがたつ

また、新しい噴火活動が始まる前に
3年ぶりの箱根温泉に行き始めた

今回で3回目の箱根
前2回は奥湯本の温泉で
2015年以前に比べて温泉の力が強くなったと確信した
透明の温泉湯そのものが重厚になった
湯から上がるとき、からだに張り付いた温泉湯がしっかりと肌に吸い付いている

そして今回は強羅に宿泊することにした
強羅は、大涌谷から引き湯した白濁湯を選んだ
大涌谷の硫黄泉がどのようになったかを自分の皮膚で感じてみたい

大涌谷の蒸気井で作った人工温泉は、硫黄の酸化が進むせいか
白濁湯の上澄みがうすく緑色に見えるときがある
随分と暗緑色気味の上澄みの中に沈み込むと
天然自噴の真っ白な硫黄泉に比べて
ざらっとしていて武骨で荒々しい
この荒々しいばかりの湯の力強さはどうだろう
大涌谷硫黄蒸気井温泉は新しい力を持った

太陽山荘の湯槽は座って足を投げ出すとちょうど首だけがでる深さだった
毎日入れ替えるというだけあって沈殿物はなく
湯漕は磨きこまれている
ところどころ
木の肌に広く付着した温泉成分が石灰化してつるりとしている
湯の温度を調整する三段の湯樋から勢いよく湯が流れ込んでくる
桟格子が美しいガラス窓を天井まで見上げると
文化遺産の建築物だという
格子天井になっている窓の向こうの
灯りが美しい

着替え室に上がって
虹色に光るタイルの洗面台の磨きこまれた美しさにも感動した




次回ー「大涌谷　硫黄が緑色になった谷」に続く