【お話】旅人の宿
この宿は、船を待つ旅人たちが、
その時が来るまでを、過ごす場所。
見知らぬとき、
見知らぬ国、
見知らぬ世界に生きる旅人同士が、
ひととき、言葉を、杯を、心を交わす。
何度もやってくる客もいれば、
二度とは出会えない客もいる。
気をつけて。乗るべき船を、見落とさないように。
あなたの時間を、見失わないように。
この宿に留まり続ける、
ぼくはただ、歌を贈ろう。幸あれと、
旅路が平穏であるようにと。
***
船が来た。
最後の船だ。
今日はもう、この宿も終わり。
さっきまで、にぎやかに騒いでいた客たちは、
みな、それぞれの人生、それぞれの未来へと旅立った。
ひとときを、心安らがせるために、
歌っていた吟遊詩人の側には、
旅立ち損ねた王子が一人。
「次の船が迎えに来るまで、ぼくの歌に付き合うかい?
暖炉の火はあたたかいしね」
***
それっぽい部屋を作ってみました。
一階が酒場、二階が泊まれる部屋の、RPGでよくある感じの宿のイメージ。
旅人の宿。いろんな世界と時間に通じている場所な感じで。
3月9日、お話をつけて再アップ。
しの
2018/03/09 08:33:21
茶久さん
ありがとうございます。アルバム広場へのコメントも感謝です
この部屋でくつろきでね
茶久
2018/03/08 05:44:06
暖炉で暖まれる宿って良いですね!(^^)!