【お話】時の記憶に、花を手向ける
25時の地球に、花束を手向けに行こう。誰も知らない、知られない、かつてあった物語のために。
もらったステキコーデ♪:14
誰も知らない。
かつてあった、物語。
覚えているのは、風と、空と。
あの丘で揺れていた、花たちだけ。
誰も知らない。
いまはどこにもないとされる、
あの国。あの都。あの町の小さな通り。
ほんの刹那に、永遠を夢見た。
そんな人々が暮らしていた、あの場所。
夜のしじまに、心をたゆたわせ、
光と闇の狭間を泳ぐ。
聞こえるのは、歌声。
彼方の時より響いてくる。
時の歩みにこだまするのは、
喜びの叫びか。嘆きの涙か。
誰も知らない。
かつてあり、今はついえた、はるかな国の物語。
とおい、とおい、昔語りを、
25時の地球が夢見る。
花を手向けよう。
こだまする、静寂の歌のために。
かつて確かに語られた、
刹那の夢を、あたためるために。
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時の記憶に花を手向ける、という感じで作ってみました。のすたるじあ~。