小説『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
本谷有希子 著
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』を読みました。
インパクトのあるタイトルが
前々から気にはなっていたけれど
はたしてこのタイトルは
作中の人物へ向けられているのか
読者へ向けられているのか
頭の中でまだ整理がつきません。
不穏な空気ではじまり
絶望の狂気で終わるという
対照的な姉妹の
エゴとDVとが交錯する
まっ黒くろコメディでした。
両親の事故死をきっかけに
里帰りした女優志望の姉が
恨みがある妹をいびりつつ
女優への道を探るという話で。
ラストの描写は
人の心の残酷な部分をくすぐるというか
むかし読んだ『カラマーゾフの兄弟』に
「リアリズムさ!」みたいなセリフが
あったと思うけれど
そういう気持ちになりました。
この小説
映画化もされているみたいだけれど
こわくて見れそうもありません。
音織neo
2018/06/02 21:54:06
普通の”黒コメディ”は案外好きだけど・・・・
黒過ぎるのはね。。
何事も”過ぎたるは猶及ばざるが如し”ですな(゚д゚)(。_。)ウン!w
『カラマーゾフの兄弟』主題そのものが”リアリズム”ですな・・・w
イヴァンのセリフ「神がいなければ、全てが許される」が強く印象的でした...