【お話】地球光が、青く光る。
青く、
ただ、青く。
地球光が、光る。
この天空の、閉ざされた世界から、
眺める地球は、青い。
闇のなか、にじむように、
燐光を発している。
届く光は、空間を青く染める。
伸ばしたわたしの指先も、青く、
淡い光で染められる。
魚たちは、静かに泳ぐ。
ゆらりとゆらぐ、水の中を。
青く、淡い、光の中を。
そこかしこから響く、つぶやきは、
泡がたてる、夢のきれはし。
近く、遠く。遠く、また近く。
ぷつぷつと、ぽつぽつと、湧き上がっては消えてゆく。
ここにいると、わからなくなる。
わたしは、眺めているのか。
それとも、眺められているのか。
そんなわたしを置き去りにして、
青く、
ただ、青く。
地球光が、光る。
***
月光や日光があるなら、地球光もあるだろう。と、いうことで。
地球光が光る、は、言葉が重なってしまっていて、本来はあんまり良い表現じゃないのですが(日光が光る、とはふつう、言わない)、
闇のなかで地球がぼんやり光って見えているのが、輝く、じゃないよなあ。と。
降る、という表現も考えましたが、それも違う。足下に見えてる地球からの光だし。
漁火が海の中に光って見える感じに近い。ということで、この表現になりました。
天空の水族館、入れ子状態だなと思ったので。大気のない場所に水を囲う建物があって、その中に大気のある場所を囲って作ってる感じ?
あと、人が魚を眺めるというより、魚に人が観察されているみたいだなあと思ったので、書いてみました。
天空の水族館初日で、まだくじらが出て来ていないころです。静かな時間をゆったり満喫できました。