脳活日誌1167号
知らなかった。
古道具屋さんに来てもらって、蔵の中に眠っていた生活の雑用品を処分した。江戸期の文化の年号の入ったお櫃などの生活用品だとか箱のケースに入った客用の火鉢とかがあったが、現代的には全くの無価値であった。今時、冬に火鉢にあたっている家はないだろう。お寺の会合でも、火鉢は古い。そんなこんなで蔵の棚に載っていた雑品をほとんど処分して約16万円であった。
整理がついたので気分的に肩の荷が下りた感である。家が古くなり、これからの老後の生き方を決めなければならないのだ。この話、余談があって、実は1年位前から通い出した小さな喫茶店がある。ここでよく出会う人がいて、年齢的には私と同年配くらいなのだが、喫茶店のママさんが、いつも「社長、社長。」と言っているから、どんな職業の方だろうかと思っていた。こうしたことで顔は見知っていたが、一度も話したことがなかった。それが、ある時、家に来てくれた古道具屋さんの若者と喫茶店で出会ったのである。
私は「先だってはお世話になりました。」と礼を言って、話しているうちに顔見知りの年配の人が青年の父親だと分かったのである。世の中は広いようで狭い。古道具屋へ頼みに行ったのは私の女房で、この時、店には古道具屋の奥さんが対応してくれて、「今は百貨店に出店していて、忙しいから。時間ができたら伺います。」ということだった。2週間後、家に来てくれたのは息子さんの方で店の主人には一度も会っていなかった。思わぬ、出会いとなった。