【お話】海のひみつ
アクアマリンの宝玉と、オリハルコンの短剣が、遺跡のどこかに眠っている。でもそれはひみつ、ひみつ。
もらったステキコーデ♪:4
海底の神殿に、
アクアマリンの宝玉が眠る。
海のいろの石は、竜と人魚のつぶやきと、
涙とあぶくの旋律を知っている。
しん、と静まってひかる石は、
触れずに、眠るままに任せよう。
眠りながらも、そのかがやきで、
海は、おだやかになるだろう。
宝玉の側には、
オリハルコンの短剣。
赫く輝く刃をかつて、多くのものが求めた。
戦を呼び、狂乱を招くために。
嘆きの叫びがあふれればあふれるほど、
彼らは、力を得たと歓喜した。
その灼熱の輝きでもって、
世界をも手に入れようと、たくらんだ。
けれども、ある日、ひとりの盗人が、
短剣を盗み出して、海に投げ込んだ。
赫の輝きは、沈み、
世の乱れは収まったという……。
二つの宝のおだやかな眠りを
守ってきたのは、海の一族。
伝説では、そうなっている。
ぼく? さあ。もうずいぶんと昔の話だし、
子孫が今も生きているのか、どこにいるのか、誰も知らない。
ただ、
海がおだやかであるように、
宝玉も、短剣も、おだやかであれば良いと思うよ。
だから、すべては、ひみつ、ひみつ。
海底の神殿のどこかに、人知れず、眠る。
目に見えなくても、手に触れることができなくても。
海の宝は、そこにある。
それで良い。それだけで良いんだと、ぼくは思うよ。
***
海底神殿の背景を購入したので、ちょっと不思議っぽくしてみました。
神殿の遺跡、となると、宝玉や、オリハルコンの短剣が出したくなるという。それっぽい短剣が手に入らなかったので、お話の中でだけ出してみました。
オリハルコンや、ヒヒイロカネといった、不思議金属、気になりますよね。実際、どういう金属だったんだろう。