【お話】魔法使いの、ひとりごと。
絵本や、小さな子どもの描いた絵に、意外と真理があったりするんだよね。呪文を覚えるよりもずっと。
もらったステキコーデ♪:7
魔法使いは、自分だけの力で立っているわけじゃない。
何かをなす時には、世界から力を借りる。
まるで海のように、力の奔流が、世界にはあふれていて、
人はわずかに、それに触れている。
移り変わる季節の中に、ほんの少し、感じることができる。
人の手にはあまる力だから、普通はそれだけで十分なんだ。
魔法使いは、その力にもう少しだけ触れて、
ちょっぴり、手助けしてもらう練習を積む。
でも危険だから、
力の海に飛び込むような真似はしない。きちんと壁を建てておいて、そこからほんの少し、流れてくる力を受け取るようにする。
壁には、意外と、たくさんの鍵穴がある。
扉もね。
呪文は、鍵穴にあわせて鍵を作るようなもの。
覚えておけば、魔法の発動に役立つけれど、
素材がぺらっぺらだったり、へにゃっへにゃだったりしたら、途中で崩れちゃうから、扉は開かないんだよねえ……。
絵本や、小さな子どもの描いた絵には、力がある。
理屈をすっ飛ばして、一番大事なことをわしづかみ状態で、どーん、と描いていたりする。
見ていたら、すごいなって思う。
そういう人ってときどき、無意識に扉を開いて、力を受け取っていたりするんだよ。
魔法を喚び興すための手段を、
鍵穴と鍵に限定しないで、いきなり扉をカーテンに変えたり、壁に窓をつけちゃったりしてね。
意識せずに、そういうことをしてくれる。
でたらめみたいで、でもちゃんと法則性はあって、
たまに、笑ってしまう。
そう、だから、
魔法使いって、しかつめらしい顔で、呪文を暗記する人じゃないんだ。
自由自在に、心のありようを変えて、自分自身を変化させて。
軽やかに、次の扉を開く。それが、魔法使い。
***
絵本なんて、子どものものだと、見ただけで顔をしかめる人もいますが。
心を自在に遊ばせることができる人は、余裕を持っています。
余裕は、知恵や知識を呼びます。いろんな場面で、不思議と良い方向へ進む出来事が起こる。
魔法使いみたいにね?