黄昏日記

因幡の黒兎

日々思う事があっても実行出来ることはとても少ないのが現実。

業に入ったら業に従え

日記

今日の朝刊で過去に叱られた事が素晴らしかったと言うような特集が組まれていました。子供の頃の事とか職場の事とか。

それを読んで1年10か月前まで勤めていた病院の事を思いだした。最後に意地悪な科長補佐(副薬局長)に『あなたな自分の思い通りにならないと言う事を学習してもらいたかったのに、それも理解できなかったのね。』と捨て台詞を陰で浴びされれた事。

その時に底意地の悪い顔で鼻を高々させていた事。

今でも時節思い出し何度考え直しても、私にも落ち度があったとしてもあの副薬局長が『正しい』とは思わない。
副薬局長は薬剤部の職員を自分のお気に入りと敵に仕分けし、お気に入りはどんなに遊んでいても許され、敵には朝令暮改の指示を出し落ち度をあげつらっていた。責任を取る立場にいながら副薬局長としての判断をせず、気に入らない職員に全責任を押し付け、それを副薬局長の立場を利用して吹聴していた。朝から深夜まで他人の悪口に3時間も4時間も費やしその悪口に付き合わない職員を敵とした。またお気に入りの職員のインシデントは全て揉み消し、気に入らない職員のインシデントだけ朝会で問題提起しインシデント報告をさせていた。そしてそのような他人の悪口に時間を費やすのでいつも長時間勤務になり『私は忙しい』と威張っていた。

あの職場は異常だった。でも、あの職場の中にいるとそれが『常識』だった。

後から来る転職組や異動組はそのほとんどが苛めの対象になり、大学病院経験者で大学病院に連絡の取れる職員と、医者と結婚した女性職員だけがチヤホヤされていた。それはその人の人間性で判断されているのではなく『自分にとって有益』と判断し、皆、ゴマを擦っていたのだ。

薬剤管理一つとってもそうだった。今年の3月に退職した、私を苛めぬいた古株の副薬局長は新人含め職員が居る中、平然とロキソニン錠の棚からロキソニンを取り出してその場で飲んでいた。そのロキソニンは期限切れでない商品であった。
関係が悪く必要最低限しか居合わせない私ですら3年目に1回だけ遠くからその場で飲んでいるのを目撃したのだから、きっともっと取っていたのだろう。私が病院に入った年から、私が別の場所にいる時にロキソニンの棚の前でゴソゴソやっている音は何度も聞いたし、その後にはいつも水を飲んでいたので薄々疑っていた。他の職員も病棟の看護師が手が荒れているから頼まれたと平然と軟膏を持ち出したり、そんな断りも無く持っていく職員もいた。

外部から見れば異常な筈だが、『どこの病院でもやっている』と皆平然としていた。

私はそれに注意が出来なかった。何しろ苛めの酷い職場で苛めのターゲットだったので言うに言えない、言っても聞かない、時には2倍3倍の仕返しが来た。最初は棚にある期限内の商品を持って行ってはいけないと注意したが全てを無視されていたので、後半は見てみぬふりをする、関わら無いよういするしかなかった。

これを巷では『郷に入ったら郷に従え』と言う。そうするしかないのだ。話を合わせないと何もかもが回らず、最悪病気療養に追い込まれかねない。

しかも更に厄介なのは、そのような『癖』がついている職員は大体が病棟担当だった。そうなるとその薬剤が病棟薬剤の補充なのか、患者に見せるためなのか、自分で服用するのか、他の職員に頼まれたのか分からない。また管理の厳しい薬剤には絶対に手を出さず、大量に調剤され時には誤って割るなどの調剤ミスで廃棄する事もある物ばかりが持って行かれた。

たとえゴミ箱にロキソニンの空ヒートが落ちていても、それが調剤されたものかそうじゃないかなんてその取った瞬間を捕らえない限りは何も証明できない。また私は除け者だったので、たとえそれを私が外部に訴えても『黒兎は噓吐きだ。』とされてしまう。何しろ持っていく人が私が疑わしいと思うだけでも数名いたし、他の職員も面倒事に巻き込まれたくないのでそんな告発は望んでいない。

『業に入ったら業に従え』

そのため結局のところ見てみぬふりをし距離を置くしかないのだ。

勿論他の職員も仲良しの事務員に薬を与えており、その環境に慣れた事務員は黒兎が体調を崩した時に『体調悪いなら薬とって来れば。』と言ったのだった。

無菌室で素振りをする職員、真逆の指示を出し失敗させては苛める職員。でもそんな職員が主流派だったので証拠も無く戦うに戦えなかった。人事担当者も事勿れ主義で、若手職員が上司からの苛めを訴えるとその内容を苛めている上司本人に報告していた。

それでも『業に入ったら業に従え』なのだ。何も証拠がそろわず、実証できず、自分の記憶だけが証拠だと異常者として片付けられる。皆が『権力者』の顔色を窺い、話を合わせ、言葉の裏を必死で読もうとし、忖度し続けた。

病院を辞めてから1度か2度、元同僚と食事をした時にも彼女らは2時間ずっと『権力者』のご機嫌伺いや言葉の裏の読み取りの話ばかり。もう部外者の私はついていけず、聞くばかりだったが自分も当時はそうだったのかと愕然とした。

その後は近寄らなくなったので風の噂に黒兎の悪口を聞くこともあれば、新たな苛めターゲットの話を聞くこともあった。しかしどれも噂で確証も無く確かめようも無いけど。その中にはパート条件で雇った職員が気に入らないからと、薬局全体で苛め『3ヶ月で潰した。』とか、新しい職員の頭がおかしいとか、その身に不幸があったと言う話も流れてきた。噂でしかないし、きっと聞いても本当の事は言わないだろうけど、どれもあの環境なら可能な条件だと思うと背筋が凍り付く。でも、もう既に病院から離れた除け者がいくら言ったところで、物証が無ければ証明しようも無いし捜査権も無い。ただただ黒い噂に背筋を凍らせるしかない。

このやり場のない怒りをどうしようと思っている。こんな事は世の中にいくらでもある事なのだろう。苛めなんかザラなんだろう。やり場のない怒り悲しみを飲み込んでも時節こう思い出す。そんな時にふと思った。

どうせ噓吐き扱いされるんだから、証拠も無いんだから、いっそノンフィクションとして下手くそでも短編小説として書いてやろうかと。子供の頃から読書が趣味で、病院勤務になってから殆ど本が読めなかった。病院を辞めてからじわり読書熱が再燃。たまたま昨日喫茶店の客と店主の会話で短編小説は12000文字と聞いた。このブログが3000文字だと思うとかなりの量だけど、いつかその小説の中でこの悔しさを晴らそうかと思う。もう少し時間を重ね、もっと距離が離れたらそしたらノンフィクションとして書いたって誰が読むわけでもないのだから、その世界の中でくらい悔しさを晴らせるんじゃないかって。


今日芋を洗いながらそんな事を考えていたんだ。

  • 因幡の黒兎

    因幡の黒兎

    2018/11/07 23:10:11

    カトリーヌさん

    前の職場は上層部から腐っていたからね。
    また後で書くつもりだけど、検査科はパワハラで何人も若手中堅の職員を病気退職させている職員が
    大切にされていたそうです。

    人事がパワハラの訴えを加害者側に全部伝えているのも腐り切っていた証拠だと思う。

  • ®カトリーヌ

    ®カトリーヌ

    2018/11/06 22:48:03

    切ないね...
    私が最初に配属された部署も異常で...似たような環境だったな...
    私は異動かけてもらったんだ。
    そうしたら私をイジメた上司と先輩は思いっきり飛ばされたよw
    捨てたもんじゃないなと思った。

    小説に自分の思いを思いっきりぶつけるの、すごくいいと思う。
    黒兎さんは表現力あるから絶対いい!

  • 因幡の黒兎

    因幡の黒兎

    2018/11/04 17:58:00

    TAROさん

    それ以外にも大騒ぎして導入した何百万もするシステムをちょっと使っただけで、
    その後は使っていませんでした。多分今でも使えていないんじゃないかな。
    副薬局長のは厳密には1回目撃しただけで、なかなか証明しにくい状況でした。
    全体の空気がそっち寄りでしたから味方なんかいません。

    そんな人に最後にそんな事言われてもね。かなり腹立たしいんですよ。

  • TARO

    TARO

    2018/11/04 17:47:24

    小さい事でも横領には違いないですね

  • 因幡の黒兎

    因幡の黒兎

    2018/11/04 17:25:34

    殿

    その世界の中枢がそちらに行っているとどうしようもない事が多かったです。
    その『何かあったら言ってくれ。』ってのも質が悪い。
    そう言う人間は次の座を狙ってることも多いんですよ・・ってのは前の職場の副長の話ですがな。

    気の抜ける話でいかんけど、埼玉で『飛んで埼玉』って映画の宣伝見たけど、
    あれ埼玉ディスってるようで、よくよく見ると都会をディスってるようにも見えるような・・・。

  • 因幡の黒兎

    因幡の黒兎

    2018/11/04 17:13:31

    旦那♪

    そのツッコミが通用しないんです。『どこもそんなもんだよ。』で終わります。
    若しくは煩い奴として認定されて終わりです。先住者が作り上げた世界に対する異端児です。

    明確な目撃は新人の前でやっていた1回だけ。おそらく私は警戒されていたと思います。
    物音や遠くから聞こえる会話、後から聞いた伝聞などで色んな人をずっと疑っていました。

  • 因幡の黒兎

    因幡の黒兎

    2018/11/04 17:05:43

    ネロリさん

    場所は違えど、その心の辛さお察しします。
    仕事以上に人間関係に生命力や時間を奪われるのが大変でした。
    おかしいはずなのにその世界では『常識』なので自分が異常に感じるんですよね。
    その呪い今でも感じることがあるんです。

  • 西湘国府津

    西湘国府津

    2018/11/04 16:41:18

    「郷に入っては~」大嫌いな言葉。

    現在の職場、上司「だけ」がどうしようもない人間。
    元々一人イジメ抜いていたんけれど、ターゲットが私に変わったよう。
    はたから見ても分かるようで、上司を良く思っていない部員から「何かあったら言ってくれ」。
    決定的な理由見つけて潰す機会を待っているようw
    ・・・そんなこと望んじゃいないんだけどさ。

    それに輪をかけてどうしようもなかったのが前職。
    狭い地元の掟を理解していない外様の私に「非常識」のレッテル貼って。

    千葉のド田舎、関東にいると不幸になるだけか?
    埼玉や都内に求めれば幸せになれるのか?
    いっそ帰郷して引きこもるほうが良いかw

  • maim

    maim

    2018/11/04 16:07:04

    姐さん♫

    そもそも、棚にあるロキソプロフェンって、病院の資産では?
    無断服用とすれば、業務上横領に等しいかと。
    まあ、お辛い立場だったご様子ですので、難しいかも知れませんけど、
    地道に証拠を集めておけば、内部告発も可能だったでしょうね。

    せめて短篇小説出版の際は、お声掛け下さい。
    行商のお手伝い、ご協力いたしますm(_ _)m

  • ネロリ

    ネロリ

    2018/11/04 15:55:32

    あの職場は異常だった。でもそれが常識だった。
    今自分もそんな環境に居ます。病院じゃないけど。
    そこに入社するまではわからなかったこともしばらくして「あれ?」ってなって。今では転職サイトや求人広告に自然と目が行く。