小説『エレンディラ』
ガブリエル ガルシア=マルケス 著
『エレンディラ』を読みました。
マジックリアリズム。
この作家の作品によく用いられる文言で
「なんかよく分からないけれどなんか言葉の響きがかっこいいしなんか読んでみたいけれどなんか『百年の孤独』は敷居高そうだからなんか他にいい文庫本ないかしら。」と
手にしたのが本書でした。
人生の悲哀を感じさせる七つの物語の短編集。
土の匂いとか
風の匂いとか
海の匂いとか
土地に根付いた人々の生活の息づかいとかの描写の中に
通常ではありえない摩訶不思議な現象が
通常のできごとのようにさらっと描かれ
それらの行間に
登場人物の心情が滲み出ているような気がして
「マジックリアリズムって、ドキュメンタリータッチのおとぎ話のことなのね!」と
なんとなく解釈し
感心したのでした。
表題の元となっている
『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』は
祖母が
唯一の肉親である10代の孫娘を
召使のように扱い
売春商売をさせて得た収入で
貴族のような生活を営むという
表題そのままの内容だけれど
ラストの
孫娘の心象をあるがままに表したような
SFチックな描写が爽快でした。
本書を読み終えて
『百年の孤独』を読みたくなりました。
私を含めた多くのかたが
文庫化を待ちわびているのではないでしょうか。
とり合絵図
2018/11/10 19:42:32
心の描写の部分がリアルな訳ですか。なるほど。
しかし、孫に売春させる話ですか~。えぇ、、、。
たまねぎ
2018/11/10 19:05:21
マジックリアリズム。初めて聞きました。
確かに何となくかっこいい響きですね(笑)
おとぎ話は大好きなので、
マジックリアリズムも私の好みに合いそうです^^