麒麟

麒麟

♪♪♪ ...の庵 ♪♪♪

よー

小説/詩

 誰もが寝静まった時間
   其の静けさに身を委ねる
    
  其の時間だけ少し解す
  そして 空蝉の顔を脱ぎ捨て
   本当の自分に戻り

 優しいだけでは時に只の偽善
 けれど淋しい時なら
  凭れてしまうのも一つなのだろう

 けど 偽善
 だから 凭れる価値は見いだせない
 だって其処には未来何て無いのだから
  只の我儘なのだから

 両手を空に掲げ
 欲するものを念じて
 両手が満たされる事を願う
 其れは神託にも似たものなのだろう


 愁いを紛らわすのは得意だ
  全てを受け入れ全てを拒否すればいいだけ
 
 だから 見つからない
  本当の、、、

 彼方は其れを良くないと言い
  私は其れでも良いと言った
 黄昏時に
語り合えば何か変わったのだろうか?

 問う 望んだのはなぁに?
  欲しかったのはなぁに?

 けれど応えは無く
  在るのはさざ波の如く静けさのみ

  ならば霧消と無常に身を委ね
   彷徨い続けよう
   此の刻という海を